雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
75 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 岩田 幸良, 桑尾 和伸, 広田 知良, 長谷川 周一
    2013 年 75 巻 3 号 p. 111-123
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/03/01
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    表層土壌の凍結形態の違いが融雪水の浸入に与える影響を調べるため,北海道十勝地域の農地において凍結形態が異なった2冬の融雪水の浸透の違いを検討した.自然積雪の試験区(対照区)の他,除雪をすることで土壌凍結深を深くさせた試験区(除雪区)を設置した.1年目の冬の最大土壌凍結深は対照区で27cm,除雪区で52cmと異なり,両区とも全層が壁状に凍結したと考えられた.この年には,両処理区で融雪期に下層の土壌水分量の顕著な増加が認められず,消雪日以降に湛水が観察された.1年目の冬とは対照的に,2年目の冬は凍上量が大きく,地表面から20cmまでの層に蜂の巣状の粗間隙が形成されたと考えられた.この年には,消雪直後に両処理区で湛水が認められなかったが,除雪区では消雪日から数日後に湛水が出現した.下層の土壌水分量の変化と土壌断面の観測結果から,蜂の巣状に凍結した年の除雪区では深さ20cmより深い層が壁状に凍結し,下層への融雪水の浸入が抑制されたため,凍土の融解に伴う地表面の沈下により湛水が出現したと考えられた.
  • 深見 浩司
    2013 年 75 巻 3 号 p. 125-136
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
    石狩湾岸地域における融雪期の地下水位の上昇について,近傍の地域気象観測所(アメダス)の降水量と積雪深のデータを用いて解析を行った.地下水位と積雪深の変動を比較して,融雪期の地下水位の上昇に積雪が重要な役割を果たしていることを確認した.これらの観測結果を参考に,積雪開始日と融雪開始日を決定して融雪前の降水量を求めた.これから,積雪底面融解量を減じて,融雪期前の積雪水量を計算した.この積雪水量と融雪期の地下水位上昇量の関係を比較したところ線形関係が認められた.降水量から算出した積雪水量を用いて,融雪期の地下水位の上昇を予測することは可能と判断した.融雪期の地下水位の上昇にはその時の降水量も影響するので,積雪水量に融雪期の降水量を加えて総融雪水量とし,地下水位上昇量と比較した.総融雪水量と地下水位上昇量は,比例関係を示した.積雪底面融解を考慮しない積雪期間の積算降水量と地下水位上昇量との関係もまとめられた.これらの結果から,積雪期間の積算降水量の2/3が,融雪期の地下水位の上昇に寄与していると判断した.
  • 入戸野 太郎, 門脇 仁隆, 駒込 敏弘, 徳本 大, 服部 一裕, 前野 紀一
    2013 年 75 巻 3 号 p. 137-146
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
    カーリング・ストーンのカールの度合いは「カール比」によって精確に表現することができる.カール比はカール距離と並進距離の比で定義される.カール比の測定を,実際のカーリング・ストーンおよびカーリング場を用いて実施した.ストーン重心の位置,角度,並進速度,角速度等は,2台のCCDカメラによる連続画像から画像解析技術によって求められた.その結果,カール比が並進速度の減少とともに大きくなること,また角速度が増えると増加することがわかった.氷摩擦係数は,速度の増加とともにおおよそ−0.5 乗で減少したが,角速度の大きな領域でより顕著に減少する傾向を示した.
  • 福井 幸太郎, 飯田 肇
    2013 年 75 巻 3 号 p. 147-149
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
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