内径
D=40mmおよび77mmの円管に接続される硬質塩化ビニール製90°曲り管 (市販のエルボ) における雪水二相流の圧力損失を測定し, 曲り損失に対する管径, エルポの設置の姿勢, 流速
Um, 雪の分率
C (吐出される雪水混合体に占める雪の体積割合), 雪質の影響を調べた.
Um=0.3~25m/s,
C=0~30%, フルード数
Fr=3~200 (
Fr=
Um2/ (|1-
s|
gD),
sは氷と水の密度比,
gは重力加速度) の範囲での実験結果から次の結論を得た.
エルボ前後の2点間の全圧力損失を流れが曲げられる事により生じる損失
heと直管の管摩擦損失
hsの和で表した場合, 通常は曲り損失
heの占める割合が極めて大きい.雪の混入は
Frが小さいとき
heを増加させるが, その程度は直管における管摩擦損失の場合に比べ小さく,
Fr≧100では雪の分率
C によらず
heは清水 (せいすい) の値とほぼ等しい.このときの曲り損失を清水の直管相当長さで表せば管直径の約40~50倍となる.雪水二相流の曲り損失に対するエルボの姿勢および雪質の影響は問題にならない程小さい.
実験全体を通じエルボにおいて “つまり” は観察されず, 上記の圧力損失の測定結果を併せれば, 管路における曲りの部分は雪の水力輸送において障害の要因とはならないものと考えられる.
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