0.005M Cd(NO
3)
2水溶液にSiO
2粉末を共存させ,0.5MKOHを添加し種々のpHに調整した後,1週間と2か月反応させた.反応させた溶液のpHと,比較のために調製したSiO
2粉末を共存させなかった溶液のpHを測定し,添加したKOH量に対してプロットすることにより電位差滴定曲線を作成した.また,得られた反応生成物を粉末X線回折で瀾定し,走査型電子顕微鏡で観察した.1週間反癒させた場合にはCd(OH)
2が生成し,2か月後にはケイ酸カドミウムが生成した.電位差滴定曲線にはSiO
2粉末の有無による差が認められ,1週間反応させた後の曲線形状の差はバルク溶液中に析出したCd(OH)
2とSiO
2粉末上に析出したCd(OH)2の状態の違いを反映し,2か月反応させた後の滴定曲線の差はケイ酸カドミウムの生成反応を反映し,Cd(OH)
2-SiO
2間の反応がSiO
2の溶解量が低いpH8付近で起こったことがわかった.以上の結果からケイ酸カドミウムは溶け出したケイ酸とカドミウムイオンとの反応を介して生成するのではなく,アルカリ添加によるCd(OH)
2のSiO
2表面への析出と,それに続いて起こる析出Cd(OH)
2とSiO
2間の反応により生成することがわかった.
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