雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
26 巻, 4 号
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  • 新しい型についての調査と考察のポイント
    古川 巌
    1964 年 26 巻 4 号 p. 103-119
    発行日: 1964年
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    吹雪防止柵は,
    (1) 葦簀張り (2) 板張り (3) 金網張り (4) 布網張り (5) 軽金属板張り (波板形)
    このような張りたて材料の変遷をたどっている。家屋の草葺屋根が “長尺鉄板” に移り変った足どりに似ている。〈材料〉の時代性からくる必然の姿である。
    張りたて材料が変ってくると, 張りたてる枠や取りつけ部分などもそれ相応に異ってくる。アルミの波型板材を張りたてることになると, A-2図のように横板張りの形が材料経済の上で最高であると云った必然さが生れてくる。-縦板張りの形とすれば, 支保立柱の間合に補強横材が必要となり, 使用材料が多くなる無駄があるから
    柱も張り材も, アルミを使った, 日本ではじめての, 吹雪防止柵 (A-2図) を使って, 吹雪溜り効果の現地試験を行なった。その報告が本稿である。吹き溜りの雪丘形状を, 単に測定記録とした, といったものではなく, 風流や, 吹雪 “搬送量” 吹溜り積雪による沈降荷重などについても, 調査や検討を加えたものである。
    吹雪による鉄道線路や道路交通の被害は, ある小部分の地帯では, 例年, 相当に深刻の被害があるが, 一般には十数年間に1回といった被害頻度であるがために, わが国の吹雪防止についての研究はすすんでいない。-外国に, すすんだ研究 (文献) があるなら, それについて勉強する “手” もあるが, 残念ながら, 外国にも “薄手” のものしかない。
    本稿は, 本冬の試験成績を述べると同時に, この種の調査研究は, どのような調査技法と, どのような検討 “狙い” を目標とするかについても, 併せ記載している。
    A-1図 試験地付近の概況平面図
    試験柵に対する吹雪時の主風方向は, ほとんど全部が, 柵に約30°の方向の “北風” である
    A-2図 試験柵の形態
    総延長は10mの一連にとどまるが, 柵の始終端影響を緩和する意図で, 末端に接近して数mの補助柵を付帯させてある (北端片方) 。
  • 厳寒地型に属する珍らしい結晶の確認
    萩 早苗
    1964 年 26 巻 4 号 p. 120-125
    発行日: 1964年
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    1963年に当地で多少とも雪の降った日は1月では2, 7, 8, 18, 18, 23, 30のそれぞれの日であり, 2月では3, 4, 8, 9, 10, 11, 13, 14, 18, 20, 27のそれぞれの日である。3月では7, 13のそれぞれの日である。12月には降雪は皆無であった。その中1月7日, 8日の大雪は旅行のため観察の機会を失ったがそれ以外の日の雪の結晶をスケッチ又は接写により記録し結晶的に分類した。多種類の形の混合している場合や, 1月18日の如く球状霰ばかりの場合や2月8日の日中の数分間珍らしくも角柱, 鼓型, 角板を主とした場合や, 2月14日の朝の如く樹枝状六花, 羊歯状六花のものばかりの場合等の中, 2月8日の結晶の形は当地方としてはこの数年間においても珍らしく, 鼓型も胴が長い角柱であり, 且一方にのみ角板のつくものや, 独楽型のものなどもあり, 厳寒地型に属する非常に珍らしいものである。しかも早朝でなく日中に文字通り天与のものの如き機会を得た。
    本年すなわち1964年において雪の降った日は1月では19, 20, 28のそれぞれの日であり2月では 2, 3, 4, 12, 13, 18, 24, 25のそれぞれの日である。これらの日のものについても観察し得る場合は記録にとどめた。
    なお続雪華図説中に当時京都所司代であった土井大炊頭利位が天保8年及び9年 (1837~1838) の京都における雪の結晶図23個を挿入している事は有名である。
  • 丸山 久一
    1964 年 26 巻 4 号 p. 126-130
    発行日: 1964年
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
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