雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
60 巻, 6 号
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  • 福嶋 祐介, 萩原 達司, 坂本 充男
    1998 年 60 巻 6 号 p. 453-462
    発行日: 1998/11/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    煙型雪崩の流動モデルの適用性を検討するため,沈降性を有する固体粒子を含む混合水による雪崩の模擬実験を行った.実験では,画像解析によりフロント内及び周囲の流速ベクトル場の測定を行った.流動モデルは空気と雪粒子の質量保存式,運動方程式よりなる三式モデルである.モデル中で用いた連行係数は斜面の傾斜角の線形関数で表している.流動モデルの妥当性を検討するため,固体粒子の混合水を用いた傾斜サーマルの実験との比較を行ったところ,流下速度,最大厚さ,固体粒子量の流下方向変化について,十分に満足できる一致を見た.
  • 高橋 修平, 榎本 浩之, 亀田 貴雄, 本山 秀明, 古川 晶雄, 兒玉 裕二, 遠藤 辰雄, 大畑 哲夫, 菊地 時夫, 牧野 章汎, ...
    1998 年 60 巻 6 号 p. 463-472
    発行日: 1998/11/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    南極大陸の沿岸部から標高3810mのドームふじまでの間に無人気象観測装置を設置した.使用した観測システムは,これまで日本隊の運用実績があるCMOSデータロガーによるAWSと,やはり米国で運用実績があるウィスコンシン大学が開発したARGOS-AWSを併用して使用した.システムは-80℃以下になる低温での耐久性が必要であり,CMOS-AWSなどの低温試験を行った. CMOS-AWSは-80℃までの作動が確認された.また,無人気象観測装置で使用するデータロガーの保温用電源や測定器への電源供給を目的として風力発電装置と太陽光発電装置を試験運用したが,風力発電は-55℃まで作動した.太陽電池は機械的電気的問題もなく作動した.無人気象観測から得られたデータは,沿岸からドームふじに至る雪氷・気象の地域性や時間変動の研究に利用できる.
  • 本郷 栄次郎
    1998 年 60 巻 6 号 p. 473-490
    発行日: 1998/11/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    山岳豪雪地帯を通過する送電用鉄塔の脚部には,斜面積雪移動圧や積雪沈降圧といった積雪荷重が作用する.この鉄塔脚部の合理的設計手法を確立するため,斜面積雪移動圧と積雪沈降圧の観測を行い,斜面積雪移動圧はヘフェリーの式を,積雪沈降圧は中俣の式を基本に,式中の諸数値を観測データの統計処理などにより分析評価して,鉄塔脚部に作用する積雪荷重の算定方法を確立した.この手法は,1993年に竣工した100万Vの送電用鉄塔の設計に初適用し,従来の設計手法に比べ斜面積雪移動圧を約40%低減することができた.
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