熱収支法に基づく融雪・積雪水量モデルを開発した.モデルの入力要素は日単位の降水量,気温,日照時間だけである.日降雪量,日融雪量を計算し,積雪水量を計算する.(1)降雪量は降水量と気温から推定する.(2)短波長放射収支量は降雪量,日照時間,気温から推定可能である.(3)長波長放射収支量を日照時間から推定する方法を開発した.(4)SLファクターK
SLを導入することにより,顕熱・潜熱輸送量を気温から推定する方法を開発した.このモデルを用いることにより,積雪期間すべてにわたる日融雪量,積雪水量の推定が可能である.K
SLは気象官署,アメダス地点で決定することが可能である.K
SLは日平均風速と風速の日変化で説明され,地形からの推定の可能性も示された.この方法は,推定しやすい気象要素によって構成されていることから,広域への適用が期待される.
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