耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
53 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 日前 健介
    2007 年 53 巻 6 号 p. 311-317
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    テラプチク® (ジモルホラミン) 静注による治療は、頭位変換に伴う悪心、嘔吐、めまい、眼振を著明に抑制した。また、副腎皮質ホルモンの使えない糖尿病患者や、めまい、嘔吐のため内服治療ができない患者でもテラプチク® 静注治療は可能であった。テラプチク®治療をした突発性難聴3例に顕著な聴力の改善があった。テラプチク®静注の血管痛を除去するためには静注用2%キシロカインを添加するか、テラプチク®を生食水あるいは5%ブドウ糖に稀釈して点滴した。
  • 清原 英之, 梅崎 俊郎, 安達 一雄, 松原 尚子, 松山 勝哉, 小宗 静男
    2007 年 53 巻 6 号 p. 318-322
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    今回われわれは、嚥下障害患者に対し外科的治療を行った症例の検討を行い、外科的治療の適応について考察した。対象は、2000年5月から2006年5月までに九州大学病院耳鼻咽喉科にて嚥下機能改善手術を行った37例である。術前後の症状の変化や嚥下透視所見にて嚥下動態の評価を行った。その結果、脳幹梗塞症例において、下位脳幹に加えて、橋・中脳や皮質延髄路などの上位中枢に梗塞巣が及ぶものは、咽頭期嚥下の惹起性が著しく悪化しているため、外科的治療による嚥下動態の改善は困難であると考えられた。また、片側声帯麻痺を伴う誤嚥症例に対する甲状軟骨形成術I型は、低侵襲であり、声門閉鎖の強化による誤嚥の防止、咳嗽効率の改善に有用であると考えられた。
  • 安達 一雄, 梅崎 俊郎, 松原 尚子, 清原 英之, 小宗 静男
    2007 年 53 巻 6 号 p. 323-329
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    今回は正常音声の発声様式を検討するにあたり、1周期における開放期の割合 (open quotient: OQ) を計測した。おおむねOQは0.5-0.8の間および1.0を示す群とが認められた。APQ、PPQとの比較から、数値が大きくなるほどそれらの数値も大きくなる傾向を認めたため、大きい値は望ましいものではなく、やはり理想的には0.5-0.8を示す発声様式なのではないかと考えた。
  • 千々和 秀記, 坂本 菊男, 梅野 博仁, 中島 格
    2007 年 53 巻 6 号 p. 330-333
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    1989年1月から2004年6月までに当院で根治手術を行った頸部食道癌38例を対象に、治療成績と臨床病理学的因子の関連についての検討を行った。1) 全体の5年死因特異的生存率は47%であり、T別ではT4が32%であり不良であった。2) 前方進展9例中3例 (33%) に転移を認めた。一方側方あるいは後方進展10例中9例 (90%) に転移を認め、両者間に統計学的に有意な関係を認めた (p=0.01)。3) 前方進展9例中3例 (33%) に再発を認めた。一方側方あるいは後方進展10例中9例 (90%) に再発を認め、両者間に統計学的に有意な関係を認めた (p=0.01)。4) 前方進展例の5年生存率は54%であった。側方あるいは後方進展例は11%であり、前方進展例に比べ悪い傾向があった。頸部食道癌他臓器浸潤症例の治療方法を考える上で、側方、後方進展症例の成績が極めて悪く、quality of life (QOL) の観点から保存的治療を考慮する余地があると考えられた。
  • 小宗 徳孝, 平川 直也, 白土 秀樹, 梅崎 俊郎, 中島 寅彦, 小宗 静男
    2007 年 53 巻 6 号 p. 334-338
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    下咽頭顆粒細胞腫の1例を経験した。症例は、29歳、女性。胃痛を自覚し、近医にて上部消化管内視鏡を施行した際、下部食道および下咽頭に黄白色調の隆起性病変を認めた。食道病変に対し、当院内科にて内視鏡的粘膜切除術を施行した。当科初診時、右梨状窩に直径1cm程度の黄白色調の表面顆粒状腫瘍を認め、CO2レーザーを用いた喉頭微細手術にて切除した。病理結果はgranular cell tumor (GCT) であった。手術による合併症は認めず、術後経過は良好であった。術後6カ月経過した現在、再発は認めていない。
  • 上田 祥久, 松田 洋一, 伊藤 信輔
    2007 年 53 巻 6 号 p. 339-344
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    15年間に当科で手術加療を施行した外耳道正常な耳小骨奇形35例42耳を検討した。耳小骨奇形を船坂の分類に基づき分類すると、I群が20耳と最も多く、次いでIII群が14耳であった。聴力改善は全体で90%と良好な成績であった。耳小骨奇形でのアブミ骨手術では耳硬化症と比べ、有意に成績不良であった。
  • 横川 恭子, 佐藤 慎太郎, 山口 陽生, 津田 邦良, 井之口 昭
    2007 年 53 巻 6 号 p. 345-348
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    外耳道原発の軟骨腫の報告は非常に数少なく、その発生についてもいまだ不明な点が多い。小児の外耳道に発生した軟骨腫の1例を経験したので報告する。症例は2歳女児で、近医にて外耳道の白色腫瘤を偶然指摘された。外耳道真珠腫も念頭に置き摘出手術を行ったところ、術後の病理組織検査にて軟骨腫との確定診断を得た。治療法としては、外耳道真珠腫との鑑別の目的からも摘出手術を行うべきである。
  • 賀数 康弘
    2007 年 53 巻 6 号 p. 349-352
    発行日: 2007/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top