耳鼻と臨床
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57 巻, 5 号
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原著
  • 正垣 直樹, 速水 康介, 藤原 良平, 寺尾 恭一, 土井 勝美, 前西 修
    2011 年57 巻5 号 p. 189-195
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    1979 年から 2010 年までに近畿大学医学部附属病院耳鼻咽喉科にて経験した甲状腺原発扁平上皮癌例 5 例についてその発生機序や臨床的特徴を検討し報告した。発生機序に関しては、4 例は乳頭癌からの移行、1 例は胎生期の遺残や迷入の扁平上皮からの癌化が疑われた。甲状腺原発扁平上皮癌の進行は早く予後不良であり、その経過は未分化癌に類似する。根治手術できた症例の局所制御は良好であるが、その後の重複癌の発生にも気をつける必要がある。また他臓器からの転移の可能性も考慮に入れ、常に徹底的な全身検索が必要である。
  • 冨山 道夫
    2011 年57 巻5 号 p. 196-213
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    急性上咽頭炎と診断された症例のうち、中咽頭に感染の所見を認めない急性上咽頭炎単独例 1 例、中咽頭に感染の所見を認める中咽頭感染症合併例 4 例、計 5 例について報告した。中咽頭感染症合併例 4 例は、いずれの症例も突然のどの上方から下方にかけて全体に摂食が困難な咽頭痛を発症しており、細菌検査では上咽頭と中咽頭より有意差がない薬剤感受性を示す同一の細菌が検出された。急性上咽頭炎と中咽頭感染症合併例は、同一の細菌により同時に上咽頭と中咽頭に細菌感染症を発症する可能性が示唆された。
  • 安松 隆治, 山内 盛泰, 安井 徹郎, 久保田 万理恵, 加藤 雅人, 福島 淳一, 吉田 聖, 中条 恭子
    2011 年57 巻5 号 p. 214-219
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    喉頭癌放射線治療後に声門下から気管にかけて広範囲に再発を来したため喉頭および気管の一部を摘出し、縦隔気管孔を造設した症例について報告した。縦隔気管孔造設術は致命的な術後合併症を高率に伴う術式であると報告されてきたが、大胸筋弁を用いて気管と腕頭動脈との間に挿入固定することで大血管の保護を行い、また鎖骨骨頭、胸骨柄、第1 肋軟骨を切除し皮膚を十分に落とし込むことによって気管に加わる過緊張を防ぎ重篤な合併症を回避することが可能であった。
  • 末田 尚之, 杉山 喜一, 福崎 勉, 宮城 司道, 中川 尚志, 大山 拓人, 大慈弥 裕之
    2011 年57 巻5 号 p. 220-224
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    脂肪腫は全身に発生し得る良性腫瘍として複数科領域にわたりみられる疾患である。今回、われわれは頸部に発生した巨大脂肪腫を経験したので報告する。症例は 57 歳の男性である。2003 年に腫瘍を自覚し経過観察を行っていたが、経年変化とともに腫瘍が徐々 に増大した。福岡大学病院耳鼻咽喉科初診時、左頸部の腫瘍は 15 × 10 cm 大で弾性軟、可動性を有していた。また、MRI ではT1・T2 強調像で高信号を呈し、脂肪抑制を認める周囲と境界明瞭であり脂肪腫が最も疑われたが、一部に不均一に描出される部分を持ち脂肪肉腫も否定できなかった。術中所見ではほとんどの領域で周囲との癒着は認めなかったが、左鎖骨窩では周囲組織との瘢痕形成がみられた。また、術前評価として行った 3D-CT angiography が有用で腫瘍の範囲や鎖骨との位置関係および鎖骨下動脈から分枝する栄養血管などが立体的に描出され、病変の局在と形状を可視化することが可能であった。摘出腫瘍は黄色、弾性軟で 18 × 10 × 5 cm で病理学的検査においても脂肪腫と診断された。現在、術後 1 年経過しているが再発徴候を認めない
第26回西日本音声外科研究会
原著
  • 飴矢 美里, 田口 亜紀, 池田 健二, 勢井 洋史, 三瀬 和代, 暁 清文
    2011 年57 巻5 号 p. 227-233
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    音声障害に対するラリンゴマイクロサージェリー前後に音声治療を併用し、良好な成績を得たので報告した。治療を行った13 例中再発は1例のみであり、発声方法も改善された。今回の検討でラリンゴマイクロサージェリー前後に音声治療を組み合わせて行うことは、治療前の誤った発声法を修正することが可能であり、術後の再発予防につながると考えられた。
  • 深堀 光緒子, 梅野 博仁, 千年 俊一, 中島 格
    2011 年57 巻5 号 p. 234-238
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    披裂軟骨脱臼は喉頭外傷後や気管挿管の合併症として報告されている。今回、全身麻酔手術後に披裂軟骨脱臼を来し、整復術施行後に脱臼が再燃した症例を経験した。症例は 42 歳、男性。全身麻酔下大動脈置換術施行後より嗄声が出現し当科を受診した。喉頭ファイバースコープ検査で左声帯の可動性制限と声門閉鎖不全を認めた。手術による左反回神経麻痺の診断で経過観察したが麻痺は改善しなかった。11 カ月後に 3D-CT 検査を行った結果、左披裂軟骨脱臼が疑われ、喉頭筋電図結果からも反回神経麻痺は否定された。左披裂軟骨前方脱臼の診断で直達喉頭鏡下左披裂軟骨脱臼整復術を施行した。整復術後は音声の改善を認めたが、整復 3 週後には再び音声の悪化が確認された。左声帯は偏位し声門閉鎖不全を生じ披裂軟骨の再脱臼が考えられ、再整復は困難と判断し披裂軟骨内転術+甲状軟骨形成術 I 型を施行した。手術後、音声は改善した。発症から治療までに時間がかかった場合、観血的手術が有効な場合がある。
  • 東川 雅彦, 前田 美紀, 櫟原 健吾, 中井 健, 星島 秀昭
    2011 年57 巻5 号 p. 239-243
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    生下時に声門上腫瘤と診断されるも、著しい嗄声を残していた 7 歳、女児に対して行った治療内容、経過について報告した。病変は一側声帯から仮声帯が肉芽様組織に置き換わっており、臨床的には喉頭嚢胞あるいは laryngocele であったものと推測した。直達鏡下に肉芽様組織を減量、声門としての形を整えることにより、音声を改善することができた。
  • 福原 隆宏, 藤原 和典, 三宅 成智, 河本 勝之, 竹内 英二, 野村 憲一, 片岡 英幸, 北野 博也
    2011 年57 巻5 号 p. 244-247
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    経皮的輪状甲状間膜穿刺キットは、緊急の気道確保として使用される機会が増えてきている。挿入カニューレは、長期間人工呼吸器管理の患者を除けば、留置での喀痰吸引や呼吸管理にも使用可能とされている。しかし、中には挿入後に声門下狭窄を起こす症例もある。声門下喉頭の狭窄は、ひとたび発症すれば、その治療には難渋することが多く、患者の quality of life (QOL) が著しく損なわれるため、避けるべき合併症の一つである。この度、われわれは、ミニトラック 2® 使用後、気道内に肉芽を形成した 2 例を経験した。両症例とも、1) ミニトラック 2® の挿入が正中ではなかったこと、また、2) カニューレを挿入したまま気道管理を行っていた、という共通点があった。1 例では、喉頭ファイバースコピーにより肉芽の形成が第6日目より確認されていた。これらの症例より、1) 輪状甲状間膜の穿刺により気道確保を行う場合は正中に挿入すること、また、2) 穿刺後 1 週間以内に気道評価を行わなければならないということが示唆された。正しい手技と管理について広く啓蒙していくことが合併症を減らすために重要ではないかと思われた。
  • 安達 一雄, 梅崎 俊郎, 清原 英之, 小宗 静男
    2011 年57 巻5 号 p. 248-252
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    今回われわれはEuropean laryngological society の分類に基づく喉頭癌の経口的レーザー手術後の音声について報告する。本分類はレーザーの切除範囲によりType I - Vに分類され、今回はType I - IIIの症例のみであった。音声機能としてMPT、PPQ、APQ、NHR を検討項目とした。今回の検討は症例数が少なかったものの、全体としては術後に悪化した音声は徐々に改善する傾向を認めた。Type I、Type II症例ではほぼ 3 カ月で改善を認めていたが、Type III症例においてはさらに音声の改善に時間がかかる傾向を認めた。
抄録
臨床ノート
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