耳鼻と臨床
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41 巻, 2Supplement1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 鼻刺激性, 薬物動態およびヒスタミン試験の検討
    奥田 稔, 富山 俊一, 馬場 俊吉, 大西 正樹, 顔 真賢, 羽田 達正, 藤倉 輝道, 宇治 康明
    1995 年 41 巻 2Supplement1 号 p. 281-300
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    健常成人男子ボランティアを対象にR50547点鼻剤を投与し, 本剤の安全性, 薬物動態およびヒスタミン誘発反応への抑制効果を検討した.
    自覚症状として軽度の鼻刺激感, 鼻そう痒感, 鼻汁増多, 鼻閉, 嗅覚異常およびくしゃみが認められた. また, 白血球数などの臨床検査項目に有意 (p<0.05) な変動を示したが, 本剤に起因すると考えられる異常変動は認められなかつた.
    薬物動態の検討において, 0.1および0.2mg単回投与時のTmax, t1/2は両群でほぼ等しく, Cmax, AUCは用量相関性が認められた.
    ヒスタミン誘発反応への抑制効果を検討した結果, 鼻アレルギー症状を惹起する反応閾値は, 0.2mg投与では投与8時間後においても有意 (p<0.05) な上昇を示した.
    以上より, R50547点鼻剤は良好な忍容性を有し, 長時間にわたりヒスタミン誘発による鼻アレルギー症状を抑制することが確認された.
  • 11日間および28日間反復投与試験
    奥田 稔, 富山 俊一, 大西 正樹, 平良 晋一, 顔 真賢, 羽田 達正, 藤倉 輝道, 宇治 康明
    1995 年 41 巻 2Supplement1 号 p. 301-325
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    健常成人男子ボランティアを対象にR50547点鼻剤を11日間および28日間反復投与し, R50547点鼻剤の安全性および薬物動態を検討した.
    鼻粘膜所見, 副鼻腔X線検査, 理学的検査および鼻粘液線毛機能検査において, 本剤によると考えられる異常は認められなかつた. また, 11日間反復投与では副作用はみられなかつたが, 28日間反復投与では一過性の眠気が認められた. 臨床検査においては, 11日間反復投与試験では総蛋白などに統計学的に有意な変動を認めたが, 28日間反復投与試験の結果からその変動は臨床上特に問題ないと考えられた.
    11日間反復投与時における薬物動態の検討において, 本剤の蓄積性は認められなかつた.
    以上より, R50547点鼻剤の反復投与時の安全性が確認された.
  • 鼻誘発テストおよび薬物動態の検討
    奥田 稔, 富山 俊一, 大西 正樹, 平良 晋一, 宇井 浩一
    1995 年 41 巻 2Supplement1 号 p. 326-341
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    アレルギー性鼻炎症状を有するボランティアを対象にR50547点鼻剤を投与し, 本剤の薬物動態および鼻誘発反応に対する効果を検討した.
    薬物動態を検討した結果, 0.1および0.2mg投与時のt1/2およびTmaxは, 健常人で行われた単回投与試験結果とほぼ一致していた.
    鼻誘発反応に対する本剤の抑制効果を検討した結果, 有効率 (有効以上の%) が50%以上であつた持続時間は, 0.05, 0.1および0.2mg投与群でそれぞれ8, 8および12時間であつた. これら有効率の持続時間から, 本剤の至適投与回数は, 0.05および0.1mgでは1日2~3回, 0.2mgでは1日2回と推察された.
    以上より, R50547点鼻剤の鼻誘発反応に対する抑制効果が認められ, 本剤がアレルギー性鼻炎に対し, 少ない投与回数で効果が持続できる有用な薬剤である可能性が示唆された.
  • 奥田 稔, 鳥山 稔, 宇佐神 篤, 関谷 透, 茂木 五郎, 小崎 秀夫, 大西 正樹, 服部 康夫, 中嶋 慶則, 町野 満, 舩坂 宗 ...
    1995 年 41 巻 2Supplement1 号 p. 342-360
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    通年性アレルギー性鼻炎患者121例を対象に, R50547点鼻剤の有効性, 安全性を二重盲検法により検討し, 至適用量の予備的な検索を行つた. 投与方法は0.0125% (L群), 0.025% (M群), 0.05% (H群) を1日2回, 1週間投与した.
    有効性に関しては, 投与終了時の全般改善度の「中等度改善」以上は, L群36%, M 群41%, H群38%であり, 3群間に有意差および用量依存性は認められなかつた.
    安全性に関しても, 3群間に有意差は認められず, 副作用は局所症状として咽頭部不快感, 咽頭部痛, くしゃみ誘発が, 全身症状として軽度の眠気が認められたのみであり, 本剤の高い安全性が確認された.
    以上より, 本剤の通年性アレルギー性鼻炎に対する有効性と安全性が確認された. なお, 至適用量については, 改善率に用量依存性が認められなかつたため, さらに臨床的検討を加える必要性があると考えられた.
  • 奥田 稔, 鳥山 稔, 宇佐神 篤, 関谷 透, 茂木 五郎, 吉村 理, 八木 聰明, 大西 正樹, 大塚 博邦, 稲葉 真, 舩坂 宗太 ...
    1995 年 41 巻 2Supplement1 号 p. 361-380
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    通年性アレルギー性鼻炎に対するR50547点鼻剤の至適用法・用量を検討する目的で, 153例を対象に単盲検法により3群間比較試験を実施した. 投与方法は0.025%点鼻剤 1日2回 (LB群, 0.2mg/日), 4回 (LQ群, 0.4mg/日) および0.05%点鼻剤1日2 回 (HB群, 0.4mg/日) を4週間投与した.
    最終全般改善度の「中等度改善」以上は, LB群49%, LQ群56%, HB群48%で, 3群間に有意差は認められなかつた. 概括安全度の「問題なし」と評価された症例は, 各群96%以上と高く, 副作用の発現率は各群4%と低率であつた-総合的に評価を行つた有用度は, 最終全般改善度と同様の結果を示し, 3群間に有意差は認められなかつた.
    以上の成績により, 本剤の通年性アレルギー性鼻炎に対する至適用法・用量は有意差は認められなかつたものの, 3群間中最も高い改善率を示した0.025%点鼻剤1日4回投与が妥当であると考えられた.
  • クロモグリク酸ナトリウム点鼻剤との比較試験
    奥田 稔, 鳥山 稔, 宇佐神 篤, 関谷 透, 茂木 五郎, 吉村 理, 八木 聰明, 大久保 公裕, 大西 正樹, 横島 一彦, 大塚 ...
    1995 年 41 巻 2Supplement1 号 p. 381-403
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    通年性アレルギー性鼻炎患者233例を対象にR50547 0.025%点鼻剤 (L群), 1日4 回投与の有効性, 安全性および有用性をクロモグリク酸ナトリウム2%点鼻剤 (S群), 1日6回投与を対照とした単盲検比較法にて検討した.
    最終全般改善度では, L群はS群に比し, 有意に高い改善度を示した (U検定:p< 0.05). また, 「中等度改善」以上ではL群60.2%, S群45.4%であり, 約IS%の差が認められた. 概括安全度では両群間に有意な差はみられなかつた. 最終全般改善度および概括安全度より評価した有用度においても, L群はS群に比し, 有意に高い有用度を示した (U検定:p<0.05).
    以上より, R50547点鼻剤はクロモグリク酸ナトリウム点鼻剤と比較し, 優れた臨床効果と同程度の高い安全性を有し, 通年性アレルギー性鼻炎に対し有用性の高い薬剤であることが確認された.
  • 長期投与試験
    奥田 稔, 鳥山 稔, 宇佐神 篤, 関谷 透, 茂木 五郎, 川内 秀之, 吉村 弘之, 茶園 篤男, 高田 順子, 末永 真比古, 金田 ...
    1995 年 41 巻 2Supplement1 号 p. 404-416
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    通年性アレルギー性鼻炎患者42例を対象に, R50547点鼻剤を原則として8週間以上最長13週間投与し, 本剤の長期投与時における有効性および安全性を検討した.
    最終全般改善度は, 全例では「中等度改善」以上が56%, 4週間超過の長期投与症例では, 62%の成績が得られ, 長期投与による効果の減弱は認められなかつた. 副作用では, 眠気および頭痛がみられたが, 重篤なものではなく, 長期使用により新たに発現した副作用は認められなかった.
    以上より, 通年性アレルギー性鼻炎に対するR50547点鼻剤の長期投与による有効性および安全性が確認された.
  • 奥田 稔, 鳥山 稔, 宇佐神 篤, 関谷 透, 茂木 五郎, 吉村 理, 八木 聰明, 大久保 公裕, 大塚 博邦, 目澤 朗憲, 森園 ...
    1995 年 41 巻 2Supplement1 号 p. 417-431
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    小児の通年性鼻アレルギー患者60例を対象に, R50547点鼻剤を成人の用法・用量 (0.025%点鼻剤, 1日4回) に準じて投与し, 本剤の有効性および安全性を検討した.
    最終全般改善度は, 「中等度改善」以上で50%の成績が得られた. また, 症状別改善度では, 三大主徴のくしゃみ発作, 鼻汁, 鼻閉の改善率がそれぞれ59%, 57%, 66% と「鼻閉」の改善率が一番高く, 本剤の臨床的特徴の一つと考えられた.
    副作用は, 鼻刺激感が1例に, 頭痛と嘔気が1例の計2例に認められ, 臨床検査の異常変動は2例に認められた. いずれの症状および異常変動も, 特に問題ないものと判断された.
    以上より, 小児の通年性鼻アレルギーに対するR50547点鼻剤の有効性および安全性が確認された.
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