耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
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62 巻, 5 号
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原著
  • 喜友名 朝則, 喜瀬 乗基, 平塚 宗久, 又吉 宣, 鈴木 幹男
    2016 年62 巻5 号 p. 151-158
    発行日: 2016/09/20
    公開日: 2017/09/01
    ジャーナル フリー
    嚥下運動に関する神経機構には、延髄を中心とした嚥下反射、即ち下位の嚥下神経機構とそれを上位より支える神経機構が存在する。下位における嚥下の機能解剖は解明が進んでいるが、より上位からの嚥下のコントロールについてはいまだ不明の点が多い。近年神経活動に伴う脳活動を客観的かつ低侵襲に計測することが可能となっており、われわれは functional MRI(fMRI)を用いて健常人 6 例について唾液嚥下時の神経活動に伴う脳賦活部位を検討した。Sparse sampling 法を用いて実験を行い、感覚運動野、運動前野、補足運動野、大脳基底核、視床、前帯状回、島回、小脳などの領域で脳賦活を認めた。これらの広範な神経ネットワークが相互に関与することで、複雑な嚥下運動を上位中枢でコントロールしているものと考えられた。fMRI のような非侵襲的な脳機能画像による研究はこれらの嚥下神経機構ネットワークのつながりをさらに解明できる可能性があり、今後さらに研究を進めていく必要があると考えられた。
  • 清原 英之, 安松 隆治, 安達 一雄, 瓜生 英興, 中島 寅彦, 中川 尚志
    2016 年62 巻5 号 p. 159-163
    発行日: 2016/09/20
    公開日: 2017/09/01
    ジャーナル フリー
    2009 年から 2012 年までに当科にて一次治療を施行した声門上扁平上皮癌 38 例について臨床的検討を行った。全体の 3 年粗生存率は 46.9%、3 年疾患特異的生存率は 51.0%であった。また 3 年喉頭温存率は 36.0%であり、T 分類が進行するほど低下する傾向にあった。stage Ⅲ以上の症例で CRT 群と導入化学療法群を比較すると、有意差はないが後者の喉頭温存率の方が高い傾向にあった。
症例報告
  • 山野 貴史, 杉野 赳浩, 尾畑 十善, 廣瀬 美香, 坂田 俊文, 中川 尚志
    2016 年62 巻5 号 p. 164-170
    発行日: 2016/09/20
    公開日: 2017/09/01
    ジャーナル フリー
    帯状疱疹ウイルス感染による下位脳神経障害が原因で嚥下障害を来した症例を経験したため報告する。初診時に左軟口蓋麻痺、カーテン徴候、左咽頭筋麻痺、咽頭クリアランスの左右差を認め、迷走神経麻痺からの嚥下障害と判断した。30 日後の診察時でも軟口蓋麻痺の残存があり、初診時には認めなかった患側の声帯麻痺が確認されたが、咽頭収縮筋の機能は改善したため、早期に経口摂取可能になったものと思われた。
  • 新里 祐一, 吉田 崇正, 園田 世里夏, 山内 盛泰
    2016 年62 巻5 号 p. 171-175
    発行日: 2016/09/20
    公開日: 2017/09/01
    ジャーナル フリー
    急性喉頭蓋炎は急激に進行する可能性がある感染症であり、時には数時間の単位で呼吸困難が進行する疾患である。今回われわれは咽頭痛の症状が発症してから 8 時間後に窒息に至ったものの、この病態の知識があった家族の医療関係者がその疑いを持って救急外来を受診させていたため救命し得た急性喉頭蓋炎の 1 例を経験したので報告する。症例は 50 歳、男性。主訴は咽頭痛であった。喉頭内視鏡検査にて確定診断がついた直後に窒息状態となった。ミニトラックⅡ®を用いて緊急に気道確保を施行した後、外科的切開を行った。術後は抗生剤とステロイドを使用し、比較的速やかに喉頭蓋の腫脹は軽減した。急性喉頭蓋炎は耳鼻咽喉科医にはよく知られた疾患であるが、耳鼻咽喉科医以外の医師を含めた医療関係者にその危険性が周知されているとは言い難い。医療関係者に急性喉頭蓋炎の知識を共有してもらうように耳鼻咽喉科医は努力する必要がある。
第31回西日本音声外科研究会
臨床ノート
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