スギ花粉症患者におけるプルラン結合アレルゲン (ポセプラン) の有効性、安全性の検討を長期投与試験にて行った。なお、減感作を行わない通常の薬物治療を受けている症例を非投与群として設定し、有効性評価の参考とした。ポセプランの投与は1995年花粉飛散終了後より開始し、1999年の花粉飛散期まで行われた。symptom-medicatioll scoreは投与期間中の1997年-1999年にわたって、非投与群に比し有意にスコアが低かった (p<0.001)。特にmedication scoreは治療終了後の2000年においても有意な低下が認められた。また、2000年のシーズンは患者の印象や飛散期の症状の程度など、主としてQOLに関する項目についてアンケート調査を実施した。アンケートの面からも治療終了後における減感作療法の効果が維持しているものと考えられた。1996年から1999 年までの「有効」以上の有効率は、1996年より、それぞれ59/77例 (76.7%)、40/59例 (67.7%)、38/47例 (80.9%)、22/32例 (68.8%) であった。花粉飛散数が各年で異なり、その影響により有効率に差が見られた。一方安全性では、有害事象が認められたのは、 1996年が13例21件 (14.8%) であった。その後1997年より、1.5%、1.7%、8.8%であった。また、特に重篤な副作用の発現は認めなかった。
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