耳鼻と臨床

[第6回頭頸部癌化学療法研究会]頭頸部進行癌に対する化学療法 (DDP/5FU) と放射線療法の併用

生存期間に対する検討

甲能直幸, 北原哲, 田村悦代, 田部哲也, 村田保博

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S1-S6
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S1

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頭頸部進行癌の局所切除不能例では予後は極めて不良である。そこで頭頸部進行癌局所手術不能例に対して局所制御率の向上を目的として少量化学療法併用照射法を行った。方法はシスプラチン3mg/m²/day、5-フルオロウラシルは150mg/m²/dayを週5回投与した。照射は原則として1.6-2Gyを月曜から金曜日の週5回で総量が約60Gyまで施行した。1996年9月より2000年9月までに38例に施行し、その成績を検討した。評価可能例36例中、CR19例、PR10例で奏効率は81%、CR率は53%であった。また全体の生存期間中央値は28カ月であり、responder (CR+PR) では35カ月、non-responderでは4カ月で有意差を認めた (p<0.05)。薬物有害反応は口内炎が最も多くgrade IIIが9例、grade IIまでのものが17例であった。骨髄抑制は白血球減少24例、血小板減少18例、貧血21例であった。以上より本法のdose limiting toxicityは口内炎、骨髄抑制であると思われた。他の薬物有害反応はいずれも許容範囲内であった。本法は頭頸部進行癌の局所切除不能例に対して安全に施行することができ、かつ奏効例では生存期間の延長を認め有効な治療法と思われた。

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[第6回頭頸部癌化学療法研究会]I. 頭頸部進行癌に対する化学療法 (DDP/5FU) と放射線療法の併用

堀内正敏, 甲能直幸, 久保田彰

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S13-S24
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S13

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[第6回頭頸部癌化学療法研究会]T2-T4、N0症例の頸部郭清術の適応と術式

舌癌

岸本誠司, 林隆一, 海老原敏

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S25-S32
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S25

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国立がんセンター頭頸科で加療されたT2-4 N0舌癌206例における、頸部リンパ節転移および頸部郭清術について検討した。1) T2N0舌癌症例152例の検討: 潜在的頸部転移率は42%で、部位別には上深頸、中深頸、願下、顎下の順で転移頻度が高く、この範囲の郭清で十分と考えられた。予防的郭清施行群と非施行群との間で予後に差はなかったが、潜在的転移陽性例に限った場合、予防的郭清施行群の方が頸部制御が良好に行えた。今後は潜在的頸部転移の可能性が高く予防的郭清術の適応がある症例の選択が重要となる。2) T3N0舌癌症例49例の検討: 潜在的頸部転移率は39%で、部位別には上深頸、中深頸、願下、顎下の順に頻度が高くこの範囲の郭清で十分と考えられた。3) T4 N0舌癌症例5例の検討: 潜在的頸部転移率は60%であるが転移部位は全域にまたがっており、予防的頸部郭清には全頸部郭清が必要である。

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[第6回頭頸部癌化学療法研究会]II. T2-T4、NO症例の頸部郭清術の適応と術式

鎌田信悦, 川端一嘉, 岸本誠司

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S33-S36
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S33

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[第6回頭頸部癌化学療法研究会]T2N0声門癌の標準的治療の検討

海老原充, 大城貴史, 平尾隆, 吉積隆, 佐竹文介

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S37-S40
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S37

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1973年10月から1997年2月までに当院を受診したT2N0声門扁平上皮癌66例の治療成績を検討した。初回治療として根治照射が施行されたものは43例であり、手術が選択されたものは23例であった。放射線治療による局所制御率は65%であり、照射後再発に対する部分切除術も含めた喉頭温存率は77%であった。一方、初回治療としての手術による喉頭温存率は13%であり、部分切除例の局所制御率は60% (5例中3例) であった。これらの結果から初回治療としては放射線治療を選択し、再発した場合、可能な限りsalvage operationとしての部分切除術を考慮すべきと考えられた。さらに放射線治療による局所制御率を向上させるためには多分割照射や1回線量の増加を検討する必要性があると考えられた。

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[第6回頭頸部癌化学療法研究会]T2N0声門癌の治療方針

放射線化学同時併用療法

永橋立望, 福田諭, 本間明宏, 犬山征夫, 白土博樹

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S41-S45
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S41

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1990年11月より未治療喉頭T2N0声門癌患者33例に対し、CBDCAないしCDDPの放射線化学同時併用療法を行い、その結果につき検討を加えた。治療方法はCBDCA100mg/m²を週1回ないしCDDP4mg/m²を週4回、照射日に一致して点滴静注し、照射は2.5Gy/fr週4回行い40Gyで評価し、NCでは手術、PR、CRでは65Gyまで続行するか否かを決定した。T2N0声門癌全症例での5年累積粗生存率は88.1%であった。同時併用療法にては、好中球減少、血小板減少、皮膚の剥離にてgrade3の副反応が出現したが、死亡例は認めなかった。同時併用療法群をhistorical controlの放射線療法群15例と比較したところ、累積粗生存率にて有意差を認めたが、累積喉頭温存率では有意差を認めなかった。

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[第6回頭頸部癌化学療法研究会]声門癌T2N0の治療に関する検討

上村裕和, 吉野邦俊, 藤井隆, 栗田智之, 赤羽誉, 佐伯暢生, 佐藤武男

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S46-S50
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S46

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当科で経験した声門癌T2N0一次根治例191例について検討を行った。喉頭温存を目指して治療法を選択する基本方針には変わりはなかったが、1989年以後で初回治療としてより喉頭温存を目指した治療方針が選択される傾向であった。これは1988年以前には画像診断の精度などの背景から腫瘍制御が優先される症例が多かったものと考えられた。照射単独例+CDDP併用例105例の喉頭温存率は72.4% (76例) 、喉頭部分切除術が施行された17例の喉頭温存率は94.1% (16例) であった。原病死は照射例で3例、手術例で5例と少なく、治療法による死因特異的生存率にも差は認められなかった。従って、声門癌T2N0に対する治療は喉頭温存を第一に考えた治療方針 (照射、喉頭部分切除術) を選択するべきであり、適切な治療法選択に対する先行指標が必要であると考えられた。

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[第6回頭頸部癌化学療法研究会]III. T2N0声門癌の標準治療の検討

佐竹文介, 海老原充, 永橋立望, 上村裕和

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S51-S62
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S51

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[第6回頭頸部癌化学療法研究会]頭頸部進行癌に対する化学療法と放射線の同時併用療法

久保田彰, 古川まどか, 河野敏朗, 山下浩介, 杉山正人

2002 年 48 巻 4Supplement1 号 p. S7-S12
発行日: 2002/07/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.48.4Supplement1_S7

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前治療のない36例 (stage III: 7, IV: 29, resectable: 25, unresectable: 11) に化学療法と放射線の同時併用療法を行った。原発部位は下咽頭が9、副鼻腔が8、喉頭が6、上咽頭が4、中咽頭が4、口腔が3、耳下腺が1、原発不明頸部が1例であった。治療方法は5-FUを1000mg/m²で4日間の持続点滴とCDDPは60mg/m²を4日目に投与する治療を、放射線治療開始と5週目に行った。放射線は1日に2Gyを60から70Gyまで行った。放射線は40Gy終了時に1週間の休止期間を設定した。有害事象は粘膜炎 (grade 3, 33%, grade 4, 11%)、嘔吐 (grade 3, 44%)、白血球減少 (grade 3, 17%)、貧血 (grade 3, 3%) がそれぞれ認められた。計画通りに2コースの化学療法が投与できたのは81%であった。放射線の平均線量は65.4Gyであった。平均放射線休止期間は5.1日であった。12例 (33%) でCR、22例 (61%) にPRを得た。本療法は毒性を認めるものの、適切な処置を行えば安全に投与でき、局所の制御率も良好であった。

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