Cefoxitinを各種呼吸器感染症66例 (効果判定対象55例, 副作用判定対象63例) に使用し, 次のような結果を得た.
1. 55例中有効以上と判定した症例は42例 (76.4%) であった.
2. 呼吸器感染症の種類別での有効率は, 一次性肺炎では84.6%, 二次性肺炎では68.8%, 慢性気道感染症急性増悪では69.2%であった.
3. 重症度別臨床効果は, 軽症では90.9%, 中等症では76.3%, 重症では50.0%の有効率であった.
4. 年齢別臨床効果は, 69歳以下では82.8%, 70歳以上では69.2%の有効率であった.
5. 原因菌が検出できた13例での細菌学的効果は, 消失10例, 減少1例, 菌交代2例であった. また, 常在菌からの菌交代が2例に認められた. 交代菌は
P.aeruginosa (2例),
E.agglomerans (1例),
K.pneumoniae (1例) であった.
6. 他剤無効例 (11例) に対しては, 有効が7例 (63.6%) であった.
7. 本剤無効の3例ではminocycline, ceftizoxime, cefotaximeのそれぞれが有効であった.
8. 副作用は8例にみられ, 発疹1例, GOT上昇2例, GOT・BUN上昇1例, BUN・creatinine上昇1例, Al-p上昇1例, 白血球減少2例であったが, 本剤中止後すみやかに正常に復した.
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