当科結核外来を受診した小児例に対し, 小児結核の診断法および治療効果判定の指標として結核菌感染診断用インターフエロン-γ測定試薬QuantiFERON
R-TB2G (QFT-2G) が有用であるか否かを検討した. 空洞病変, 肺門リンパ節腫脹, 結節影などの肺結核に特徴的な画像所見を有し, 結核菌感染と診断された5症例は全例QFT-2G陽性を示し, 臨床症状がなく画像所見で異常がなくてもQFT-2Gが陽性であった3症例中1例は後に結核を発症した. QFT-2Gが陰性であった12例では, 初診時, その後の経過観察中に結核を発症した例はみられず, BCG接種の既往がありツベルクリン反応が陽性であった例でもQFT-2Gは陰性を示し, QFT-2GはBCGの影響を受けていないことが確認された. さらに,
Mycobacteriumaviumが検出された非結核性抗酸菌症例では陰性を示した. また, 経時的に治療経過とともにQFT-2G値の推移を観察し得た症例では, 症状改善に従ってQFT-2G値は低下した。
以上, QFT-2GはBCG接種の影響をうけず, 小児結核における診断的にも治療効果判定法としてもそ の有用性が認められた. QFT-2Gは, 排菌率が低く診断が困難な小児結核症において有力な検査診断法と 考えられる.
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