感染症学雑誌
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65 巻, 11 号
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  • 橋口 一弘, 小川 浩司, 和山 行正
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1375-1380
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    急性上気道炎 (かぜ症候群) において, C. pneumoniae, TWAR株がどの程度関与しているかを調べる目的で, 血清学的および分離培養法にて検査した. 1990年3月から1991年1月までに受診した急性上気道炎患者46名 (男性17名, 女性29名, 7-71歳, 平均年齢36.7歳), 47症例を対象した. また対象疾患とした急性上気道炎とは, 咽頭痛, 軽度発熱, 鼻症状を主症状とし, 喀痰, 鼻汁は膿性でないもの, 重症の気管支炎や肺炎症状のないものとした. 40例に血清抗体価を行い, 26例に分離培養を行った. 血清抗体価測定および分離培養の両者を施行したのは19例であった. また同時期に受診した健常者20名 (22歳-67歳, 平均年齢47.2歳) をコントロール群とし, 血清抗体価測定のみを行った.C. pneumoniae抗体保有率はコントロール群で30%, 患者群で52.5%であった. 両群間に有意差はみられなかった. 急性期抗体保有率についてみるとコントロール群ではみられなかったのに対し, 患者群では分離培養にて3例 (11.5%) に陽性であり, 血清抗体価では7例 (17.5%) に陽性であったので, C. pneumoniae感染と考えられた症例は合計10例 (21.3%) であった.C. pneumoniae感染は呼吸器感染, 特に下気道感染の原因として重要であると考えられているが, 下気道症状を伴わない急性上気道感染に限っても, 予想以上にC. pneumoniaeが関与していることが示唆された.
  • 打矢 恵一, 二改 俊章, 杉原 久義
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1381-1388
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Salmonella enteritidisから得られた培養濾液での免疫による異なる菌株の攻撃に対する防御能力を調べた結果, 攻撃菌株は有効株である2547株, 116M株, 116-54株, SR-98G株, 3775株と無効株である2822株, 3975株, IID-604株に分けられた. In vitroにおいて, これらの菌株は各種活性酸素に対して感受性を示したが, 有効株と無効株との間に違いは見られなかった. 活性酵素の阻害剤であるcatalaseとhistidineは, このような殺菌系に対して阻害効果を示した事より, H2O2と1O2がS.enteritidisの殺菌に対して重要であると考えられた. マウス腹腔マクロファージが有効株である2547株を貧食した時に起こる活性酸素放出は, 無効株である2822株を貧食した時に起こるそれと同程度であった. これらの結果より, 有効株と無効株の違いは各種活性酵素に対する感受性ばかりでなく, マクロファージからの活性酸素放出に影響を及ぼす能力にも起因しないという事が判った. このような知見から, この感染防御に見られる違いはマクロファージ内でこれらの菌株の殺菌に対する抵抗性による違いに起因するものではないという事が示唆された.
  • II. 慢性関節リウマチと混合性結合組織病における検討全身性エリテマトーデスとの比較
    山内 保生, 長沢 浩平, 多田 芳史, 塚本 浩, 吉沢 滋, 真弓 武仁, 仁保 喜之, 草場 公宏
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1389-1393
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    慢性関節リウマチ (rheumatoid arthritis, RA), 混合性結合組織病 (mixed comective tissue disease, MCTD) 患者における帯状庖疹 (herpes zoster, HZ) の発症頻度および水痘帯状庖疹ウイルス (varicellazoster virus, VZV) に対する免疫能を検討し, 以前に検討した全身性エリマトーデス (systemic lupuserythmatosus, SLE) の場合と比較した. HZの発症頻度は, RA, MCTD, SLEそれぞれ24例中6例 (25%), 18例中4例 (22%), 119例中56例 (47%) で, RA, MCTDにおいてもSLEよりも低率ではあるもののHZの易罹患性がみられた. MCTD例では4例とも診断前に発症していた. HZ罹患時の平均年齢はRAが58.9歳とSLEやMCTDよりも高齢であった.
    VZVに対する液性免疫能としてCF抗体および中和抗体価を測定した結果, SLEと同様にRA, MCTDの抗体価は健常者と同等またはそれ以上でVZVに対する液性免疫能は良好と考えられた. VZV抗原に対する皮内反応では, RA, MCTD, SLEいずれも健常者よりも有意に低い陽性率を示し, VZVに対する細胞性免疫能が低下していた. 皮内反応時に1日10mg以上の副腎皮質ステロイド剤 (ス剤) 内服例ではRA, MCTDともに有意に皮内反応が抑制され, ス剤の影響が示唆された.
    RA, MCTDにおいてもSLEと同様に細胞性免疫能の低下がHZに罹患する一要因と考えられた.
  • 松尾 収二, 相原 雅典, 高橋 浩
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1394-1402
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    過去1年6ヵ月の間に便よりメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) が検出された34患者について臨床的および病理学的検討を行った. 対象患老のうち, 諸家の報告の大半を占めた手術患者は11患者 (32%) に過ぎず, 多くは内科領域の疾患を有する患者であった (68%). 消化管症状として33患者 (97%) に下痢を認めたが, 便の性状は水様便から泥状便まで多様であり, 発熱, 白血球数, C反応性蛋白濃度などの炎症所見の程度も様々であった. 下痢は肺や尿路などのMRSA感染症に先行もしくは単独で出現した患者が多く (62%), MRSA腸炎の早期診断には便性状の把握が重要であることを示した. 34患者中17患者 (50%) においてC. dufficileが同時に検出され, 本菌も下痢に関与していることが示唆された. 転帰をみると軽快例は27患者, 死亡例は7患者であった. 死亡例のうち3患者は直接死因の一つとしてMRSA腸炎の関与が示唆され, 本症の早期診断と治療の重要性を示した. 患者の経過からみて, 治療の基本は全身状態の改善と適切な抗菌薬の選択であることが確認された. 剖検例5患者において最も共通した病理所見は結腸粘膜の浮腫であり (4患者), 特異的な所見は認めなかった. 他に回腸の浮腫・出血と結腸の多発びらんが1患者に, 結腸の出血が1患者に, また結腸の偽膜形成と好中球浸潤が1患者 (C. difficile検出例) にみられた.
  • 非流行期における欠席状況の比較から
    薩田 清明
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1403-1410
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    インフルエンザワクチンの接種対象児童の性質について, 同疾患の非流行期の欠席状況から解析を試みた. 検討方法は対象の児童31,902名を喘息, アレルギー体質, 心臓病などを有する既往群 (1,048名の3.3%) とそれ以外の非既往群 (30,854名の96.7%) に大別し, さらに各群を1988年10-11月のワクチン接種状況により2回群, 1回群, 0回群に分類し, 各3群間の1988年4-7月の非流行期の欠席状況の差を統計学的に比較株討し, 次のような成績を得た. 1. 既往群について既往を有する3群間の欠席率, 平均欠席日数に有意差は認められない。また3群間の欠席日数分布やその各区分ごとの比較でも有意差は認められなかった. この事実からみて既往の3群間はほぼ同質であると認められる. しかし, 延べ欠席率は1回群が最も高いことが有意 (p<0.001) に認められた. そこで同群の欠席日数分布をみると21-30日区分の割合がその前2区分のそれよりも多く認められている. このことが延べ欠席率を最も高く導いた原因であり, この事実のみで既往の3群を異質とする要因とはならないであろう. 2. 非既往群について非既往の3群間の上でも欠席率や平均欠席日数に有意差は認められない. すなわち非既往の3群もほぼ同質であると認められる. しかし, 延べ欠席率や欠席日数分布の上からみると, 2回群の方に身体の弱い児童の多いことも考えられるが, むしろ否定的にみるべきであろう. ただ最も重要なことは非既往の0回群の中に身体の弱い児童が, 特に多いと言えないことが明らかにされたことである.
  • 打矢 恵一, 二改 俊章, 杉原 久義
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1411-1418
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
  • 山城 哲
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1419-1429
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    現在膿瘍形成性疾患の起炎菌として注目されつつある“Streptococcus milleri group”の呼吸器感染症における臨床的意義について検討した.“S.milleri group”は20歳代の健康成人20人の唾液・咽頭ぬぐい液には105CFU/ml以上には存在しなかった.また, 全年齢層の120人の健康成人 (20歳-80歳) における咽頭ぬぐい液の検討では11.7%(14/120) の頻度に105CFU/ml以上の菌量の“S.milleri group”が検出された.一方起炎菌不明の膿性の喀痰・咽頭ぬぐい液においては24.7%(24/97) と高頻度に分離された.“S.milleri group”が臨床材料から有意に分離された症例32例中10症例において,“S.mileri group”に対する血清抗体価を間接蛍光抗体法を用いて測定したが, 全例1: 512以上を示し, コントロールとした健康成人18例の抗体価 (いずれも1: 256以下) に比較し明らかな上昇をみとめた.このうち3症例ではいずれも菌分離2週後で最高値を示し, 6週以降では下降し, 健康人とほぼ同じ値となった.現在市中肺炎の約半数が起炎菌不明とされている.本稿の成績から“S.milleri group”は肺化膿症・膿胸の重要な起炎菌であると同時に, 肺炎においてもその起炎菌としての意義が極めて高いことが明らかになった.
  • 血清抗体との比較およびimmunoblotting法による抗原特異性の解析
    林 謙治, 熊本 悦明
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1430-1445
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    男女各種尿路性器感染症例における局所分泌液中のIgA抗体価をimmunoperoxidase assay (Savyon社製キット) にて測定し, 局所分泌液中のIgA抗体の臨床的意義について検討した.
    さらに分泌液中のIgAのC.trachomatisに対する抗原特異性をimmunoblotting法を用いて確認した.
    (1) 感染局所からの抗原検出が比較的容易であると考えられる女子子宮頸管炎および男子尿道炎症例において分泌液中の抗C.trachomatis IgAはC.trachomatis抗原検出例で非検出例と比し, その陽性率が高かった.しかもその分泌液中のIgAは血清中に比し, 抗体価がやや高い傾向を示し, 感染局所免疫を強く反映していることが示唆された.
    (2) 感染局所からの抗原検出の困難な慢性前立腺炎において前立腺分泌液中のIgAは23.6%の陽性率であり, しかもそのIgAの大半が分泌型IgAであることから, C.trachomatis感染による前立腺部での局所免疫を反映していることが強く示唆された.
    (3) さらに分泌液中のIgAはimmunoblotting法にてC.trachomatisの主要外膜蛋白 (MOMP) および60Kdの外膜ポリペプチドとの反応を認め, C.trachomatisに対する特異的な分泌型IgAであることが証明された.
    以上, immunoperoxidase assayやimmunoblotting法を用いた局所分泌液中のIgA抗体検査は感染局所からの抗原検出が困難な症例 (慢性前立腺炎など) のC.trachomatis感染の診断法として有用であることが確認された.
    また分泌液中のIgA抗体検査はC.trachomatis感染が疑われる症例で抗原が陰性の場合でもその見落としを少なくする可能性があると考えられた.
  • 小杉 善則, 萩原 敏且, 山崎 修道
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1446-1450
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    マクロライド系抗生剤 (MLs) のChlamydia trachomatis (C.trachomatis) に対するMinimuminhibitory concentration (MIC) が測定に使用する細胞によって変動することから, MLsの細胞内移行性とMICとの関係について検討した.培養細胞はワシントン大学由来のHeLa229 (HeLa229W) 細胞, Flow, Laboratories由来のHeLa229 (HeLa229F) 細胞およびMcCoy細胞の3種類を用いた.各細胞におけるMICと細胞内濃度を測定したところ, MICはHeLa229W細胞が最も低く, 次いでHeLa229F細胞, McCoy細胞の順であった.
    また, 細胞内薬剤濃度はMICとは逆に, McCoy細胞が最も少なく, HeLa229F細胞, HeLa229W細胞の順で増加した.なお細胞株間でMICの変動が小さい薬剤は細胞内濃度の差も少なかった.これらの結果から培養細胞株によるMIC変動の重要因子の一つとして薬剤の細胞内移行性の違いが考えられた.
  • 柏木 征三郎, 林 純, 梶山 渉, 野口 晶教, 中島 孝哉, 平田 美樹
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1451-1458
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    最近, 開発されたHBc抗体の測定方法であるIMxHBc・ダイナパック (Abbott社) と従来のRIA (HBc抗体・リアキット, Abbott社) およびPHA (セロクリット-抗HBc・目黒研) とを実際の臨床材料を用いて比較検討した.
    合計813例の検出率はIMx-HBcおよびRIAともに陽性が427例 (52.5%), RIA陽性でIMx-HBc陰性が2例 (0.2%), 共に陰性が384例 (47.3%) であり, IMx-HBcのみ陽性例はなかった.その一致率は99.8%であった.
    IMx-HBcおよびRIAの相関係数は0.969と良好な相関関係がみとめられた.
    希釈試験の成績より, HBc抗体価はHBsAgキャリアーでは高抗体価を示し, HBsAg陰性例では低抗体価を示した.従来のRIAと同様に, 200倍希釈でinhibition%が90%以上の高HBc抗体価を示す例は血中にHBsAgが検出されなくてもHBsAgキャリアーを疑う必要があると思われた.
    本法は全自動測定装置を装備しているため操作も非常に簡単で, 測定時間も45分と従来のRIAにくらべ, 短時間であった.
    以上の結果より, IMx-HBcはRIAとほぼ同等の感度を有し, RIAよりも操作も簡単で, かつ測定時間も短縮され有用な検査方法と考えられる.
  • 大國 智司, 山本 大介, 古家 寛司, 正木 洋治, 岡 暢之, 加藤 讓, 嘉村 智美
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1459-1463
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 45-year-old woman was admitted to our hospital with complaints of fever and lumbago. She was treated for adult T-cell leukemia and thrombocytopenia with 20 mg/day of predonisolone. CT scan showed multiple abscesses in right peri-kidney, right iliopsoas muscle, left subcutaneous region in the abdominal wall and the brain. (BE) Left subcutaneous abscess was drainaged. Gram-positive organisms consisting of filaments were found, and Nocardia farcinica was grown in cultures. After two months of chemotherapy (FMOX, MINO and AMK), all abscesses except one in the brain disappeared. Cerebral abscess was cured fifty days after the start of the treatment with oral administration of Sulfamethoxaxole-trimethoprim (SMX/TMP).
    The mortality of Nocardial cerebral abscess is high. This patient is a very rare case in which multiple Nocardial abscesses including brain abscess was cured by chemotherapy.
  • 齋藤 義弘, 富田 和江, 野崎 秀次, 小林 信一, 久保 政勝, 猪股 出
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1464-1469
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    We described a eight-year-old girl with encephalopathy due to cat scratch disease. Cat scratch disease is a common cause of benign, self-limited, regional adenopathy seen among young people. Encephalopathy is uncommon but is a serious complication of cat scratch disease. Cat scratch disease with associated encephalopathy was described by Stevens in 1952. Since then there have been reports of only 39 cases in the English literature. As far as we know, this case is the first case in Japan. In cases of a rapidly progressive encephalopathy, the diagnosis of cat scratch disease should be considered.
  • 岡本 憲和, 溝上 雅史, 折戸 悦朗, 加納 英行, 吉原 なみ子
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1470-1475
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    We have experienced 99 medical employees who had stuck themseleves by the needles used bypatients in the past 5 years. Sixteen of the 99 cases (16.2%) were of the patients who had hepatitis CVirus (HCV) antibodies. We followed up these 16 medical employees during 24.8±12.0 months. Wecould not find any case among them who had seroconverted HCV antibody positive in their serums.
    We concluded that the risk of HCV infection by the needlestick accident is not so high.
  • 松尾 啓左, 荒木 長太郎
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1476-1478
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    We report a case of diarrhea associated with Giardia lambria and Salmonella. A 28-year-old male who had no chance to go abroard visited our hospital with complaints of abdominal pain, watery diarrhea and fever, but his symptoms persisted in spite of medication. He was admitted to our hospital on the next day for definite diagnosis and treatment. Many trophozoites of Giardia lambria were recognized in the feces. The symptoms were improved using metronidazole, so he was discharged on the 8-th day. The cause of this double infection was not determined. The domestic infection like this case is rare in Japan.
  • 楊 基傑, 荘 銀清, 楊 振典
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1479-1483
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    英文文献においてのNon-O: 1ビブリオ・コレラによる腸管外感染の報告は稀である. 我々が調べた限り, 今までは17例しか報告されていなかった. そのほとんどの症例は免疫不全宿主による日和見感染であった.我々はNon-0: 1ビブリオ・コレラ菌血症を伴なった肝硬変の2症例を経験し, 報告する.症例1は敗血症ショックにて入院.血培よりNon-O: 1ビブリオ・コレラを検出し, 入院2日後死亡した. 症例2は肝性脳症にて入院, 血培よりビブリオ・コレラを検出した. この症例は抗菌剤で除菌に成功し, 入院16日後退院となった.肝硬変におけるNon-O: 1ビブリオ・コレラ菌血症の病態生理はなお不明であり, 今後, 症例を重ねて, 解明していく必要があると思われる. 平成
  • 症例報告および文献の回顧
    李 少瑛, 荘 銀清, 楊 振典
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1484-1487
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Vibrio vulnificusは偶々重症敗血症を起す好塩性の海洋細菌である. 我々は広範囲の蜂窩織炎を伴なった敗血症の1症例を報告する. 症例は77歳の男性, 海水の漁池で仕事をする時に感染を受け, 24時間後, 敗血性ショックにて入院となった. 入院後, 抗生物質および截肢手術にて救命された. 我々は症例報告と共に文献を回顧し, この病気における病因, 臨床所見および治療について検討した.
  • 山上 由理子, 田代 隆良, 河野 俊郎, 山崎 透, 小野 敬司, 永井 寛之, 後藤 陽一郎, 菊池 博, 那須 勝
    1991 年 65 巻 11 号 p. 1488-1493
    発行日: 1991/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 46-year-old man was admitted to Oita Medical College Hospital on October 16, 1987, because of cough and sputum. Chest X-ray and chest CT films showed diffuse reticulonodular shadow. The specimens obtained by transbronchial lung biopsy revealed cysts of pneumocystis carinii. Abnormal lymphocytes with lobulated neuclei were found 2-7% of peripheral leucocytes. The anti HTLV-I antibody was positive. According to these data, we diagnosed the patient as smoldering adult T cell leukemia with pneumocystis carinii pneumonia. The abnormal shadow on chest X-ray disapeared after SMX-TMP and pentamidine treatment.
    After about 1 year, he was again admitted for high fever. Chest X-ray showed infiltration with cavity in right upper lobe. Streptococcus pneumoniae was isolated from the sputum. The infiltration shadow on chest X-ray disappeared after antibiotics treatment. However, multiple nodular shadowappeared on the chest X-ray and ATL cell infiltration was found in the specimens of transbronchial lung biopsy. ATL cells in peripheral blood also increased and serum LDH and Calcium levels were markedly high. According to these data, we diagnosed the patient as having a ATL crisis. Although chemotherapy for ATL was started, the ATL, cell infiltration shadow on the chest X-ray enlarged, and bilateral diffuse pacthy shadows was appeared on the chest X-ray. He died of respiratory failure on April 26, 1989. Cytomegalovirus pneumonia and ATL cell infiltration were revealed by necrops
  • 1991 年 65 巻 11 号 p. 1499
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/09/07
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