Optical Immunoassayにより, A, B型インフルエンザウイルスを検出する迅速診断キットFLU OIA
® (BioStar, USA) の有用性を検討した.
ウイルス分離と比較して, 鼻咽頭吸引液42検体では, 感度80.0% (8/10), 特異度68.8% (22/32), 咽頭スワブ61検体では, 感度36.7% (11/30), 特異度839% (26/31) であった.分離ウイルスはA型5株, B型35株で, 分離率は38.8% (40/103) であった.
A型インフルエンザに関しては, 別に, ウイルス分離終了後の冷凍保存検体を解凍して, FLU OIA
®を実施した. 鼻咽頭吸引液48検体で, 感度91.4% (32/35), 特異度92.3% (12/13) であった. 咽頭スワブについては, ウイルス輸送培地1.5mlに希釈されていた検体0.1mlを用い, 感度50.0% (9/18), 特異度91.7% (11/12) であった.
鼻咽頭吸引液の方が咽頭スワブより感度が良く, A型インフルエンザの方がB型インフルエンザよりも, 検出率が高い傾向が認められた.A型インフルエンザウイルスの検出については, 希釈してない材料を使って再検討が必要である. A型もB型も, 重症合併症や施設内流行の原因となる事があり, 治療薬も開発されている事から, 両方を検出できる迅速診断キットの有用性は高いと考えられた.
抄録全体を表示