新しい注射用セファロスポリン剤, cefluprenam (CFLP) を細菌性肺炎及び慢性気道感染症患者に1回1g (力価), 1日2回, 7日間反復点滴静注し, 以下の成績を得た.
1.総投与症例130例のうち, 有効性採用116例での臨床効果の有効率は, 細菌性肺炎で93.8%(60/64), 慢性気道感染症で96.2%(50/52), 全体で94.8%(110/116) であった.
再発が検討された82例での再発率は, 1.2%(1/82) であった.
細菌学的効果の菌消失率は, グラム陽性菌で100.0%(32/32), グラム陰性菌で93.8%(15/16), 全体で97.9%(47/48) であった.
2.副作用発現率は, 3.9%(5/129) であり, その内訳は, 発疹2例, 発熱1例, 発疹・廣痒感1例, 発熱・頭痛1例であった.
臨床検査値異常変動発現率は, 23.6%(30/127) であり, 異常変動した検査項目は, GPT上昇, GOT上昇, 好酸球増多が主であった.
安全度は, 74.8%(95/127) であった.
3.有用度は93.1%(108/116) であった.
以上の成績から, 臨床第III相比較試験の副次的評価で示唆されたように, 本剤は, 中等症の細菌性肺炎及び慢性気道感染症に対して7日間投与により加療目的が達成され, 7日間投与によるアレルギー症状も安全性の高いceftazidime (CAZ) と同程度の発現率であることが確認された.これらのことから, 本剤は, 中等症の呼吸器感染症の治療に有用な薬剤であり, その適正な投与期間は7日間以内であると判断された.
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