Chlamydia trachomatis種特異的な合成ペプチドを抗原とした抗体測定キット (ペプタイドクラミジア, 以下ペプタイド) の有用性を臨床検体を用い検討した.
C.trachomatis抗原陽性婦人血清 (45例), 一般妊婦血清 (100例),
C.pneumoniae感染児血清 (9例) を対象とした.ペプタイド, セロイパライザクラミジア (以下セロイパライザ), ヒタザイムクラミジアAb
® (以下ヒタザイム) の3キットでIgとIg抗体を測定し, 結果不一致例についてはmicro-IF法とwestern blotting法で確認した.
C.trachomatis抗原陽性血清では, ペプタイドのIg, Ig抗体陽性率は, それぞれ91%, 80%で, セロイパライザの89%, 82%, ヒタザイムの84%, 76%とほぼ同等であった.一般妊婦血清では, ペプタイドのIg, Ig抗体陽性率はそれぞれ18%, 9%で, セロイパライザは12%, 15%, ヒタザイムは15%, 13%であった.セロイパライザとヒタザイムがIg, Ig抗体ほぼ同等の陽性率なのに対し, ペプタイドの抗体陽性率はIgがIgの2倍であった.
C.pneumoniae感染児血清では, ペプタイドではすべて陰性であったのに対し, セロイパライザとヒタザイムに陽性例を認めた.結果不一致例の検討では, ペプタイドが最もwesternblotting法と一致していた.以上より, ペプタイドは従来のキットより特異的に
C.trachomatis抗体を検出することができる優れたキットであることが示唆された.
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