カルバペネム系抗生物質のいずれかに中間あるいは耐性を示した
P. aeruginosa 106株および.
Acinetobacter spp.64株についてMEPM, IPM, PAPM, PIPC, CFPM, AZT, AMK, LVFXの薬剤感受性を測定した.両菌ともカルバペネム以外の薬剤に対しても耐性傾向を示す中で,
P. aeruginosaではAMKの,
Acinetobacter spp.ではLVFXの感性率がそれぞれ51 .1%, 55.6%と8薬剤中最も良好であった.カルバペネム系抗生物質のMIC相関では, 両菌とも大部分の株においてMEPMのMICがIPMやPAPMのMICより優れており, 特に
P. aeruginosaにおいては, IPM耐性株94株のうち29株 (30.9%) がMEPMに感受性となった.さらに, カルバペネム耐性機序として, 2-メルカプトプロピオン酸を用いたdisk拡散法にてメタロ-β-ラクタマーゼの産生を検討したところ,
P. aeruginosaでの陽性株はなかったが,
Acinetobacter spp.では64株中8株 (12.5%) が陽性で, このうちの4株ではPCR法にて,
blaIMP遺伝子が確認された.
Acinetobacter spp.におけるメタロ-β-ラクタマーゼ産生株の存在は, メタロ-β-ラクタマーゼ遺伝子のグラム陰性桿菌間での拡散を示唆するものと考えられた.
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