感度が良く, 手技が簡便なIAHA (immune adherence hemagglutination) 法で, 水痘抗体の測定を行い, 各反応条件について検討し, CF法, IFA法, ELISA法と比較検討した. IAHA法は, 微研法に準じて行った. ヒト0型赤血球は, 試みた5名の志願者全員が, 使用可能であった. 補体は, モルモット血清を使用した. 抗原抗体反応温度は37℃ が至適であり, また血清の非働化も必須と思われた. 他法の結果と比較すると, IAHA法は, IFA法, ELISA法と同程度, CF法の2~4倍高い感度を示し, それらとの陽性, 陰性一致率も良好であった. また, 水痘ワクチン接種前後の検体でみた, 各検査法による抗体陽転率は, CF法で76.0%, IFA法で56.0%, ELISA法で100%であったのに対し, IAHA法は, 100%であった. このように, IAHA法による水痘抗体測定は, 手技が簡便で, 特別な器具を必要とせず, また感度, 特異性も良好で, 一般の検査室で充分測定可能な, 優れた検査法と思われた.
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