感染症学雑誌
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73 巻, 5 号
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  • 平松 礼司, 松本 昌門, 三輪 良雄, 齋藤 眞, 八柳 潤, 内村 真佐子, 小林 一寛, 田中 博, 堀川 和美, 森 良一, 宮崎 ...
    1999 年 73 巻 5 号 p. 407-413
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1996年6月から97年12月にかけて全国6カ所の地方衛生研究所で下痢症患者から分離された腸管出血性大腸菌 (EHEC) O26について, その炭水化物分解性状及び分離培地の検討を行った.供試した101株のO26は全株ラムノースを分解せず, 他の大腸菌の99.4% (167株中166株) はラムノースを分解した.また, EHECのO26全供試株 (16株) は最小発育阻止濃度 (MIC) 50μg/ml以上と亜テルル酸カリウムに耐性を示したのに対し, EHEC以外の菌のほとんど (26株中25株) は感受性を示した (MIC≦6.25ug/ml).以上の結果から, マッコンキー培地のラクトースをラムノースに代えたラムノース・マッコンキー (RMAC) 培地, 及びRMAC培地に抗生物質セフィキシムと亜テルル酸カリウムを添加したCT-RMAC培地を作成し, EHEC O26の分離・培養性について検討を加えた.その結果, EHEC O26はラムノース分解陰性の白色集落を形成したのに対し, 他の大腸菌はラムノース分解陽性の赤色集落を形成し, 両者は容易に識別された.また, O26はRMAC及びCT-RMAC培地上で, 大腸菌全般の分離培地であるDHL培地上と比較し, それぞれやや多数, あるいはやや少数の集落を形成した. 以上のことから, O26の選択分離培地としてRMAC培地, 及び, さらに選択性の高いCT-RMAC培地が有効であると考えられた.
  • 松下 秀, 小西 典子, 柳川 義勢, 甲斐 明美, 諸角 聖, 五十嵐 英夫, 森田 耕司, 金森 政人, 工藤 泰雄
    1999 年 73 巻 5 号 p. 414-420
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    東京において最近8年間 (1990~1997年) にヒトから分離されたソンネ赤痢菌のコリシン型, 薬剤感受性, 及びオルニチン利用性とその陰性株のプラスミドプロファイルについて検討した.
    供試菌株は, 海外とは直接関連が認められなかった94株 (国内事例由来株), 及び海外旅行者による輸入事例よりの247株 (輸入事例由来株), 合計341株である.
    コリシン型別試験の結果, 国内事例由来株は7種, 輸入事例由来株は13種に型別され, その主要なものは前者で8型, 0型, 6型及び12型, 後者で6型, 0型, 8型, 9A型及び12型であった.
    CP, TC, SM, KM, ABPC, ST, NA, FOM及びNFLXの9種薬剤について実施した感受性試験では, 国内事例由来株で89.4%, 輸入事例由来株で85.4%が耐性株であった.薬剤別ではFOMとNFLXを除く各薬剤に耐性株が認められ, 中でもSM, TC, STに対する耐性率が両由来株とも高かった.その耐性パターンは全体で22種認められたが, 両由来株ともTC・SM・STの3剤耐性を示すものが過半数を占めていた.
    従来99%以上が陽性とされているオルニチン利用性試験の結果, 国内事例由来株で27株 (28.7%), 輸入事例由来株で20株 (8.1%), 全体では47株 (13.8%) が陰性であり, 近年の分離株ではその頻度がかなり高くなっていることが明らかにされた.それらオルニチン陰性菌株間の相互関係を調べる目的で, プラスミドプロファイルの解析を行った結果, 同一由来菌株間ではかなりの類似性があるものの, 異なる由来の菌株間ではほとんど共通性が認められなかった.
  • 新垣 紀子, 比嘉 太, 小出 道夫, 健山 正男, 新里 敬, 草野 展周, 藪内 英子, 斎藤 厚
    1999 年 73 巻 5 号 p. 421-428
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1990年4月から1998年8月までの8年間に, 当教室に検査依頼のあったレジオネラ肺炎疑診例を対象に, Legionella pneumophilaserogroup 1 (L. pneumophilaSG1) の尿中抗原を検出するEIAキット (Binax社), 及びLegionella spp. の尿中抗原を検出するEIAキット (Biotest社) の有用生を検討した. 尿検体は110症例, 173検体であり, Binaxにて7症例 (19検体), Biotestにて9症例 (22検体) がとなった.他の検査方法との比較では培養法, PCR法, IFA法に対する本検査法との陽性一致率がそれぞれ100%, 100%, 50%であり, 陰性一致率がそれぞれ93%, 97.1%, 90%であった. 両者の一致率は93.5%, 97.4%, 86.8%であり尿中抗原検出法はレジオネラ症の診断に高い感度および特異性を有することが示唆された. また尿検体を濃縮することで測定感度の上昇が認められた. American Type Culture Collection (ATCC) のL. pneumophilaSG1-14のパイロット株およびL. pneumophila, Legionella bozemanii, Legionella dumoffii, Legionella micdadei, Legionella longbeachaeの基準株から作成した可溶性抗原液は両EIAキットでL. pneumophila血清群1-14, L.bozemaniiが検出可能であった. レジオネラ症の診断にはBinax EIAはBiotrst EIAと同様にL. pneamophila血清群1以外の血清型および他のレジオネラ属菌種によるレジオネラ感染症の診断に対しても有用であることが示唆された. また発症から3カ月にわたり尿中に抗原を排出する症例もあり, 陽性結果の判定には既往歴についての検討が必要と思われた. 尿中抗原検出法は簡便かつ迅速な検査法で発症早期から陽性となり, 高い感度, 特異度を有していた. 今後本症の確定診断法に有力な検査方法として検討していく必要があると思われた.
  • 川名 明彦, 工藤 宏一郎
    1999 年 73 巻 5 号 p. 429-436
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    上気道に定着した潜在的病原菌を誤嚥することが細菌性肺炎の主要な原因とされている. われわれは, 上気道からこれらの菌を除去するのにポビドンヨード (Povidone-iodine: PVP-I) 経鼻吸入が有用ではないかと考え検討を行った. 対象として, 気道に通常は常在しない菌, すなわち緑膿菌や腸内細菌科に属する好気性グラム陰性桿菌, およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (以下潜在的病原菌と略す) が無症候性に咽頭から繰り返し検出される外来患者63人を選択した. これらの症例にPVP-I含嗽を2週間施行し, 対象菌を除菌できなかった30例を無作為にPVP-I経鼻吸入・PVP-I含嗽併用群 (以下併用群と略す) とPVP-I含嗽単独群 (以下単独群と略す) とに分け, 2週間の処置の前後で咽頭の細菌学的検索を行った. 併用群は16人で, うち9人 (56%) は慢性的な肺合併症 (気管支拡張症, 慢性気管支炎など) を有していた. 単独群は14人で, うち6人 (43%) は同様の肺合併症を有していた. 治療期間終了時に, 併用群では44%, 単独群では14%で咽頭から潜在的病原菌が消失した. 特に, 肺合併症を有さない患者においては, 併用群では86%で除菌し得た. PVP-I経鼻吸入と関連した有害事象はみられなかった. 上気道から潜在的病原菌を除去するのに, PVP-I経鼻吸入は安全で, 特に肺合併症のない症例において有用な方法と考えられた.
  • 楠 淳, 甲斐 明美, 柳川 義勢, 門間 千枝, 新垣 正夫, 尾畑 浩魅, 伊藤 武, 太田 建爾, 工藤 泰雄, 中村 明子
    1999 年 73 巻 5 号 p. 437-444
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    ヨーロッパ諸国で発生報告の多いS.Enteritidisファージ型 (PT) 1を原因菌とする食中毒は, 東京都内では1990年に初めて発生して以来, 年々増加し, 1992年にはS. Enteritidis食中毒の約30%を占めるに至った.このPT1型菌を原因とする食中毒の特徴を明らかにする目的で, 1990年~1996年の7年間に東京都内で発生した本菌食中毒44事例由来198株を対象に, 薬剤耐性パターン, プラスミドプロファイル, プロピレングリコールおよびエチレングリコールからの酸産生性を疫学マーカーとして検討を行った.
    これら疫学マーカーの組合わせでは, 44事例は11種のタイプに分けられ, その主体はSM, TCの2剤耐性, 60kbプラスミド単独保有, 2種のグリコールからの酸非産生株を原因とするもので21事例 (47.7%), 次に薬剤耐性パターンのみ異なりSM単独耐性株を原因とするものが15事例 (34.1%) であった.
    44事例中11事例から, 患者と同時に原因食品, 調理室の環境や調理従事者からPT1型菌が分離され, 3種の疫学マーカーも一致した.これら11事例のうち8事例では原因食品に鶏卵が使用されていた.
    本ファージ型菌食中毒の原因食品もPT34あるいはPT4と同様, 鶏卵に関連する食品が主体であったが, 2事例ではPT4や34による食中毒事例では明確にされなかった鶏肉あるいは鶏肉の関与が疑われた.
  • 古畑 勝則, 坂田 慎治, 岡本 倫明, 山本 静雄, 本田 政幸, 甲斐 明美, 伊藤 武, 原 元宣, 田淵 清, 福山 正文
    1999 年 73 巻 5 号 p. 445-450
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    ヒトのVero毒素産生性大腸菌 (VTEC) 感染症における感染源や感染経路を明らかにするため, 1996年6月から1997年3月までの期間に北海道, 福島県, 神奈川県および沖縄県で飼育されていた健康な乳牛の新鮮糞便を採取し, VTECの分離を試みた成績は以下の通りである.
    1) 供試した251例中68例 (27.1%) からVTECが分離された. その内訳は, 北海道50例中14例 (28.0%), 福島県50例中13例 (26.0%), 神奈川県51例中20例 (39.2%), 沖縄県100例中21例 (21.0%) からそれぞれVTECが分離され, 地区別において差異は認められなかった.
    2) 分離された85株について毒素型別と血清型別を行ったところ, VT1産生株とVT2産生株がそれぞれ33株 (38.8%), VT1とVT2両毒素産生株が19株 (22.4%) あった. また分離株の血清型を毒素型別にみると, VT1産生株ではO111: H-が最も多く認められた. VT2産生株ではO2: H12, O2: H29, O2: H-, O82: H8, O82: HUT, O153: H19, O153: H42, O153: H-などに認められた. また, VT1とVT2両毒素産生株ではO153: H19に比較的多く認められた.
    以上のように, ヒト由来VTECの毒素型や血清型と一致する菌株が乳牛からも多く分離されたことから, ヒトVTEC感染症と乳牛との関係が重要視された.
  • 足立 枝里子, 田中 浩彦, 豊田 長康, 竹田 多恵
    1999 年 73 巻 5 号 p. 451-456
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1997年4月に, 妊娠32週で妊婦が腸管出血性大腸菌 (enterohemorrhagic Escherichia coli, EHEC) O157: H7に感染した. 入院, 治療を経て, 発症後20日目に回復し, 5月30日 (発症後57日目) に満期正常分娩した. 我々はこの妊婦の血清や母乳および臍帯血と児の血清を調べ, 大腸菌O157 LPSと志賀毒素 (Stx) に対する抗体の有無や菌に対する殺菌作用を検討した.発症後41, 48日目の妊婦の血清中には大腸菌O157LPSに対するIgMやIgGクラスの抗体はすでにカットオフ値近くまで低下していた. また生後2カ月の児の血清中からはどのクラスの抗体も検出されなかった. しかし母乳中にはO157 LPSに対するIgAおよびIgMクラスの抗体価が高く検出され, 出産後約2カ月 (発症後120日) の成乳中にも維持されていた. またこの妊婦の母乳乳清はEHEC O157に対する殺菌作用も有していた. 対照として4例の健康妊婦の母乳乳清についても測定し比較した結果, 1例に比較的高いレベルでO157 LPSに対するIgA抗体が検出されたが, 殺菌効果は示さなかった. 一方Stxに対する中和抗体はいずれの血清や母乳中からも検出されず, Stxは極めて免疫原性が低いことが予想された.
    今回の例では, EHEC O157: H7に感染した妊婦から胎児への垂直感染はなく, 出生した児にも何ら異常は認められなかった. 母児間の免疫学的能力の授受において, 母乳が持つ抗体の意義は大きいと思われ, 本菌感染症においては積極的に母乳を与えることを推奨する.
  • 3. 血清学的診断基準の設定
    岸本 寿男, 松島 敏春, 守川 俊英, 川越 清隆
    1999 年 73 巻 5 号 p. 457-466
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    最近開発されたELISA法による新しい抗Chlamydia pneumoniae (C.pneumoniae) 抗体検出試薬「ヒタザイムC.ニューモニエ」 (ヒタザイムCPN) は, これまでの暫定的な診断基準では健常人でIgG, IgA抗体陽性率がともに高く, 感染患者との鑑別が困難であった. そこで, 両者を鑑別するための特別カットオフ値及びペア血清による判定基準の設定を試みた.
    シングル血清の場合, 健常人のほとんどが陰性領域となるように, 健常人の測定インデックス値 (ID: 測定吸光度をカットオフ吸光度で割った値) の平均値+2SDの値をもとに, IgG, IgAともにID 3.00を特別カットオフ値とした.その結果, IgGまたはIgAのIDが3.00以上となる割合が, 健常人で7.6%に対し患者で649% (同一患者の複数検体の中で最も高い抗体価をその症例の抗体価とすると76.4%) と患者群で高い割合であった.したがって, シングル血清での基準を, IgGまたはIgAのIDが3.00以上の時に急性感染あるいは現在の感染の疑いが非常に高い, とした.
    ペア血清の場合, micro-IF法抗体価の上昇率とそれに対応するヒタザイムCPNのIDの上昇幅とがほぼ直線関係にあり, micro-IF法のペア血清での急性感染の基準である4倍以上の抗体価上昇は, ヒタザイムCPNのIDの上昇として, IgGの場合は1.35, IgAの場合は1.00に相当することが分かった.したがって, ペア血清での急性感染の基準を, IgGのIDが1.35以上上昇あるいはIgAのIDが1.00以上上昇した場合, とした.
  • 加藤 直樹, 加藤 はる, 劉 承旭
    1999 年 73 巻 5 号 p. 467-472
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    Clostridium difficile性下痢症・腸炎の診断に糞便中毒素の検出は不可欠であるが, 我が国では一般検査室で利用できるC. diffficile毒素検出キットがないのが現状である.今回, 酵素抗体法を利用したImmuno-Card Toxin Aの有用性を, 現在我が国で唯一C. difficile toxin A検出用キットとして市販されているVIDAS CDAと比較検討した.対象とした糞便61検体中, 両方法陽性は12例, 両方法陰性は39例, VIDAS陽性-ImmunoCard陰性は7例, VIDAS判定不能-ImmunoCard陰性は2例, 両方法とも判定不能は1例であった.両方が不一致な成績を示した7例を細胞培養法による糞便中毒素の検出とtoxinA産生C.difficileの分離を検討したところ, VIDAS陽性-ImmunoCard陰性の7例中5例は細胞培養法陰性で毒素産生性C. difficileも検出されず, 2例は細胞培養法陽性であった. 最終的にVIDAS判定不能の3例を除き, VIDAS陽性-ImmunoCard陰性の7例中, 細胞培養法陰性5例を陰性, 細胞培養法陽性2例を陽性として集計し直すと, ImmunoCardの感度は12/14, 85.7%, 特異度は44/44, 100%であった. Immuno Card Toxin AはVIDAS CDAに比べ, 感度がやや劣るものの, 特異度は高く, 特殊な測定器や遠心操作を必要とせず, 糞便が微量ですみ, 検査時間が約15分間と短いことから, 手軽で迅速なC.difficile性下痢症・腸炎の診断試薬であると思われた.
  • 今福 裕司, 吉田 浩, 佐藤 敏夫, 山田 秀和, 佐藤 章, 平松 啓一
    1999 年 73 巻 5 号 p. 473-476
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    A case of post-operative abdominal lymphocyst infection caused by vanB type vancomycin resistant enterococcus (VRE) in reported. A27-year-old female was diagnosed as pregnancy with uterine cervical carcinoma and underwent Cesarean section and radical hysterectomy. After discharge, she developed a high fever which was diagnosed as a lymphocyst infection. Microbiological examination demonstrated the presence of vanB typeVRE in the cyst fluid. Cyst cleaning and minocyclin injection were effective. This is the first case of VRE infection in Japan.
  • 中島 亜矢子, 谷口 敦夫, 田中 みち, 小関 由美, 市川 奈緒美, 赤真 秀人, 寺井 千尋, 原 まさ子, 鎌谷 直之
    1999 年 73 巻 5 号 p. 477-481
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    We report a patient with systemic lupus erythematosus (SLE) complicated with nocardiosis. This case is very important that the complication of nocardiosis in SLE is very rare and the treatment to both SLE and nocardiosis is very difficult.
    A twenty-one-year old female was adwmitted to our hospital because of thoracic empyema and active lupus nephritis. Her medical history revealed that the diagnose of SLE was made when she was 18 with lymphocytopenia, proteinuria, positive antinuclear antibodies, and high titer of antibodies to native DNA. She was treated with prednisolne60mg daily and became better. Proteinuria appeared again in September1995and she was admitted to the former hospital. Renal biopsy proved diffuse proliferative glomeluronephritis (WHO IVb). She was treatedwith lg per day of methylprednisolone for3days and succeeded with60mg day of prednisolone. In early November she developed left chest pain and fever and chest X-ray demonstrated left pleuraleffusion. Antibiotics, antituberculosis, and antifungal therapy failed to subside her pleuritis and it turned to empyema. Then she was transferred to our hospital for further treatment. Nocardia farcinica was detected from the aspirated pleural fluid obtained at the former hospital. Drainage and intrathoracic impenem injection were effective. While long usage of minocycline was continued for the nocardiosis, 500mg of cyclophosphamide pulse therapy to lupus nephritis was administrated. Two weeks later a new pulmonary lesion with left chest pain and liver abscess developed. Administration of trimethoprimsulfamethoxazole subsided the nocardiosis. She was discharged with1g per day of proteinuria the prescribed 13 mg per day of prednisolone and continuous TMP-SMZ intake for nocardial infection.
    When immunosuppressive therapy must be given to the immunocompromised host, a more potent therapy must be added to avoid infection.
  • 柳澤 直志, 宮本 大介, 市瀬 裕一, 外山 圭助
    1999 年 73 巻 5 号 p. 482-485
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    A57-year-old woman who had been operated on for colon cancer and given chemotherapy, presented in September 1995 with worsening cough and abnormalities on her chest X-ray film. Acid-fast bacilli were isolated from the sputum. The organism was classified as M.gordonae by biochemical tests and DNA/DNA hybridization. The patient was treated with rifampicin and clarithromycin. Subsequently, sputum cultures became negative and the chest x-ray film showed a decrease infiltration. The findings in the present case suggest that M. gordonae may cause pulmonary infection and should be considered as an opportunistic pathogen.
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