通年性アレルギー性鼻炎患者を対象として, TMK-688の至適用量を二重盲検試験により検討した. 最終全般改善度 (中等度改善以上) は2.5mg群40%, 5mg群46%およびl0mg群42%であり, 5mg群が最も高い有効率を示した. 安全度 (投与終了時に副作用なしの症例) は2.5mg群96%, 5mg群96%および10mg群90%であり3群間に差は認められなかつた. 以上から有効性, 安全性に勝る5mgが用量として適当と推定された. しかし, 急性上気道感染の罹患がなく, 併用薬・併用療法がなく, かつ本薬剤の服薬率が90%以上の症例では, 最終全般改善度は2.5mg群41%, 5mg群46%, 10mg群53%となり, 10mg群が最も高かった. また, 10mg群は前回の結果と比較して統計的に有意差は認められなかつた. それゆえ, TMK-688の至適用量は1日量10mgと推察された. ただし, この考え方はあくまでも後付け解析の結果出てきたものであり, この考えを検証するために5mgと10mgの比較を行う必要がある.
抄録全体を表示