感染症学雑誌
Online ISSN : 1884-569X
Print ISSN : 0387-5911
ISSN-L : 0387-5911
84 巻, 2 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
原著
  • 中川 莉彩, 飯沼 由嗣, 山本 正樹, 松村 康史, 白野 倫徳, 松島 晶, 長尾 美紀, 斉藤 崇, 高倉 俊二, 伊藤 穣, 樋口 ...
    2010 年 84 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
     2006 年1 月~2009 年3 月までの間に当院にてClostridium difficile 関連下痢症(C. difficile-associated diarrhea:CDAD)を疑いtoxin 検査及び培養検査を行った検体(n=877)を対象として,①新旧のtoxin 検査キットの評価,および,②検出されたC. difficileの微生物学的検討を行った.toxin 検査は2007 年10 月まではtoxin A 検出キットであるUniquick を使用し,以降はtoxin A およびB を検出可能なTOX A/B QUIK CHEK を使用した.臨床的にCDAD と考えられた症例の検体を真の陽性とした場合のUniquick/TOX A/B QUIK CHEK/培養法の感度,特異度,陽性予測率,陰性予測率はそれぞれ54.3%,99.1%,90.5%,93.2%/ 46.2%,97.6%,65.2%,95.0%/42.2%,95.5%,55.1%,92.6%となり,感度では培養法よりも両toxin検査が良好な傾向を示し,陽性予測率では,Uniquick がTOX A/B QUIK CHEK および培養法に比べ有意に良好な結果を示した(p<0.03).臨床的CDAD 症例における,培養法との一致率はUniquick で24.3%,TOX A/B QUIK CHEK で53.1%であった.また解析可能であった保存株27 株ついてtoxin 遺伝子タイプを確認したところtoxin AB産生株が産生株48.1%,toxin AB産生株が37.0%,toxin AB産生株が14.8%であった.そのうちtoxin AB産生株ではリボタイピングにより10 株中8 株が2 つのcluster に分類され,さらにそのうち7 株は特定の診療科や病棟に関連しており,院内伝播の可能性が示唆された. CDAD の診断において,特にtoxin A 非産生toxin B 産生株が多く検出される施設においては迅速検査キットとしてtoxin A 及びB が検出できるキットを優先的に用いる必要があり,加えて培養検査の併用が望ましい.
  • 知花 なおみ
    2010 年 84 巻 2 号 p. 153-158
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
     那覇市立病院で2009 年30 週(7/20~7/26)から35 週(8/24~8/30)までの6 週間にインフルエンザA と診断された1,017 例について,臨床的検討を行った. 年齢の中央値は17 歳で,10 歳未満が315 人(31%),10 代が257 人(25%),20 代が260 人(26%)と,全体の82%が20 代以下の若年者で占められていた.診療科は内科が580 例,小児科が452 例で,総受診者のうち714 人(73%)が発症から12~24 時間以内に来院しており,そのほとんどが休日を中心とした時間外に受診していた.4 歳以下では,問診でインフルエンザ患者との接触歴が88%に認められ,この年代における問診での接触歴は重要であると思われた.臨床症状として87%の患者に38℃以上の発熱が認められ,咳嗽86%,頭痛73%,関節痛69%,咽頭痛65%,悪寒61%,筋肉痛50%,悪心・嘔吐・下痢が18%にみられた.治療については,oseltamivir が606 例(60%)に,zanamivir が78 例(8%)に処方され,麻黄湯が175 例(17%)に処方された.ノイラミニダーゼ阻害薬が処方されていない症例は333例(33%)で,oseltamivrir については,特に10 代でその処方が30%と低かった.入院となった症例は12 例(1.2%)で,成人入院症例9 例すべてに基礎疾患を認めた.入院時診断として肺炎が6 例(50%),喘息発作が4 例(33%)認められた.入院12 症例のうち10 例(83%)が2 度目の医療機関受診で迅速キットが陽性となり,ノイラミニダーゼ阻害薬が開始され,合併症の治療のために入院となっていた.このことから流行期には迅速キットが陰性であっても,基礎疾患のあるインフルエンザ様症状を有する患者には早期の抗ウイルス薬の投与が重要であると思われた.
  • 大日 康史, 菅原 民枝, 三野 正博, 島内 泰宏, 尾崎 貴視, 香川 嘉宏, 岡部 信彦
    2010 年 84 巻 2 号 p. 159-164
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    【目的】香川県三豊市・観音寺市では,2007 年4 月1 日より水痘予防接種に対する公費補助制度が導入さ れた.その制度の効果を実証し,定着させるために,三豊観音寺医師会,ならびに三豊市・観音寺市と協力の下,公費補助制度導入前後の水痘罹患状況及び水痘ワクチン接種状況の比較,ワクチン接種による水痘罹患時の軽症化の程度と家族看護負担の比較を行った. 【方法】公費補助制度の補助対象者は,市内に住民票があり,1 歳から5 歳(2002 年4 月1 日生まれまで)で水痘未罹患の者とした.健診時調査,医師記入の調査,家族記入の調査,及び公費補助請求書から調査を行った.解析は2007 年5 月1 日から2008 年3 月31 日までの11 カ月間とした. 【結果】家族記入の調査票の回収は医師記入調査票の6 割程度であった.2007 年12 月に大きな流行があった.健康診断時調査では,3 歳半健診時点でのワクチン有効率は74%であったものの就学前では63%まで低下した.罹患期間は,予防接種の有無にかかわらず最頻値は5 日であった.公費補助によって,1 歳児の接種率が三豊市では8.0%から17.2%,観音寺市では13.0%から28.9%上がった.しかしながらそれでもなお5 歳までの平均接種率は三豊市では17.2%,観音寺市では28.9%であった. 【考察】水痘ワクチンの接種率は改善したが,なお全国平均を下回っていた.また,ワクチンの有効性は低いことが確かめられた.公費補助によって両市平均で総費用では686.7 万円,医療費のみでは45.5 万円節約された.
  • 藤倉 雄二, 川名 明彦, 加藤 康幸, 水野 泰孝, 工藤 宏一郎
    2010 年 84 巻 2 号 p. 165-170
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    次のインフルエンザパンデミック対策を考える上で,過去のパンデミックを検証することは極めて重要で ある.今回我々は,国立国際医療センターに保管されていた旧日本陸軍東京第一衛戍病院の資料の中から,「スペインインフルエンザ」流行時期の診療録を抽出し調査を行った.連続性の保たれていた132 症例のうち,死亡症例8 例に限定し,その臨床像の検証を行うこととした.今回の調査において,入院患者の死亡率は6.1%であった.8 例中6 例で入院時より咳嗽を認め(75%),全例でラ音を聴取し,肺炎の合併が示唆された.その他,8 例中5 例(62.5%)に血痰,4 例(50%)に下痢症状がみられ,出血症状や消化器症状が目立った.これらは,近年アジアを中心に報告されている高病原性鳥インフルエンザA/H5N1 の症状に類似していた. 新型のインフルエンザは季節性インフルエンザとは臨床像が異なる可能性があるため,特に重症例については早期の検出と適切な治療が必要と考えられる.
  • 松本 歩美, 橋本 浩一, 片寄 雅彦, 加藤 一夫, 鈴木 仁, 川崎 幸彦, 細矢 光亮
    2010 年 84 巻 2 号 p. 171-175
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    Haemophilus influenzae について薬剤感受性と保菌者の抗菌薬使用歴に関する調査を行った.対象は2004年8 月から2006 年7 月までに公立相馬総合病院小児科で気道感染症罹患児より分離されたH. influenzae 197 株とその保菌者とした.対象とした症例の過去3 カ月以内の抗菌薬使用率は45%であり,2001 年から2003 年に行った前回調査に比し11%低下していた.アモキシシリン(AMPC)の使用率は15%上昇し,セフェム系抗菌薬の使用率は18%低下していた.アンピシリン(ABPC)感受性試験の結果,中等度耐性株を含めた耐性株は97 株(49%)であり,18%増加していた.また,ABPC 感受性菌におけるpbp 遺伝子変異株の検出率が上昇していた.耐性株の保菌者では,過去3 カ月以内の抗菌薬使用率が高く(p<0.01),抗菌薬ごとに検討するとAMPC の使用率が高かった(p<0.01).抗菌薬使用率の低下に関わらず同菌種のABPC 耐性化は進んでいた.今後は地域の他医療機関との連携を含め,さらに抗菌薬使用率の低下を図る必要があると考えられた.また,AMPC が薬剤耐性化に及ぼす影響をさらに調査し,小児気道感染症に対する抗菌薬使用の方法について再考すべきであると思われた.
  • 前原 依子, 長﨑 洋司, 門脇 雅子, 江里口 芳裕, 三宅 典子, 内田 勇二郎, 長藤 宏司, 下野 信行
    2010 年 84 巻 2 号 p. 176-181
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    アスペルギルスは易感染宿主に予後不良の侵襲性の感染症を惹起するため,その感染予防が重要である.特に造血幹細胞移植時などの好中球減少期が遷延する状態では,HEPA フィルターによる空調管理を行なうことが推奨されている.当科は2006 年4 月,病室内だけでなく廊下などにもHEPA フィルターを設置し,全体が無菌空間を維持している新病棟に移転した.著者らは,移転に伴う環境変化が,アスペルギルス感染症の発症にどのような影響を及ぼしたかを検討するため調査を行った.2004 年4 月から2007 年3 月までの期間に,当科でアスペルギルス感染を疑い血清GM 抗原を測定した症例を抽出した.この265 症例973 検体に関してretrospective に解析を行った.アスペルギルス感染症の診断はEORTC/MSG の改訂診断基準に従い,proven,probable,possible に判別した.EORTC の診断基準を満たす症状,画像所見,検査所見のいずれかが最初に出現した日時をretrospective に同定し,発症日時とした.その発症日時が,入院後 10 日以降で認められたものを院内発症と定義した.2005 年11 月を最後に当科では院内発症の新規アスペルギルス症患者は認められず,移転前後での発症率は統計学的に有意に減少していた(p<0.05).移転に伴う環境対策の充実が新規発症の消失に寄与したと考える.
  • 井山 諭, 村瀬 和幸, 佐藤 勉, 菊地 尚平, 佐藤 康史, 小船 雅義, 瀧本 理修, 加藤 淳二
    2010 年 84 巻 2 号 p. 182-186
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    2006 年12 月から2008 年4 月までの間に札幌医科大学附属病院第四内科に入院した患者の内,リポソーマルアムホテリシンB(L-AMB)が投与された患者計32 症例を対象にL-AMB の有効性と安全性を評価するために後方視的検討を行った.基礎疾患は血液疾患が87.5%と多数を占め,その内訳は急性骨髄性白血病が最も多く,全体の50%を占めており,次いで悪性リンパ腫が全体の12.5%であった.L-AMB の平均投与期間は14.2±12.9 日,累積投与量は平均1,786±2,181mg であった.予防投与の3 例を除き,何らかの真菌感染症を発症もしくは発熱性好中球減少症を発症した29 例中,21 例(72.4%)で改善効果を認めた.有害事象の重症度は,軽度9 例,中等度7 例であり,重度の副作用を認めた症例はなかった.低カリウム血症が7 例(21.9%)に,クレアチニン上昇が4 例(12.5%)に認められたがいずれも軽度であった.投与を中止した中等度副作用発生例に関しては,いずれも投与中止後に症状の正常化を確認出来た.以上のことから,これまでの海外の報告と同様に,我々の検討においてもL-AMB が高い有効性と安全性を有することが示唆された.特に確定診断がつく前の早期にL-AMB を使用開始することが良好な治療成績に結びつく可能性が考えられた.また生理食塩水の負荷など十分な補液量を行うことや,血清カリウムなどの電解質バランスを管理することでL-AMB を安全に使用できることが示唆された.従来型のアムホテリシンB では,腎毒性などの理由により使用が限られていたが,副作用が大幅に軽減されたL-AMB は真菌感染のリスクを持った血液疾患患者や既に真菌感染症を発症した血液疾患患者の治療薬として有用であると考えられた.
  • 田代 将人, 村上 日奈子, 吉澤 定子, 舘田 一博, 山口 惠三
    2010 年 84 巻 2 号 p. 187-192
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    2002年から2008年までの7年間に,東邦大学医療センター大森病院にてCandida属菌が分離された血液177検体,血管内留置カテーテル先端162検体,尿1,889検体,および便782検体を対象とし解析した.血液培養からの分離状況は,Candida albicans:90例(51%),Candida parapsilosis:30例(17%),Candida glabrata:22例(12%),Candida tropicalis:6例(3%),Candida spp.:29例(16%)であった.血管内留置カテーテル先端培養からの分離状況は,C. albicans:87例(54%),C. parapsilosis:14例(9%),C. glabrata:36例(22%),C. tropicalis:5例(3%),Candida krusei:2例(1%),Candida spp.:18例(11%)であった.尿培養からの分離状況は,C. albicans:1165例(62%),C. parapsilosis:22例(1%),C. glabrata:484例(26%),C. tropicalis:83例(4%),C. krusei:26例(1%),Candida spp.:109例(6%)であった.便培養からの分離状況は,C. albicans:425例(54%),C. parapsilosis:3例(1%),C. glabrata:103例(13%),C. tropicalis:28例(4%),C. krusei:5例(1%),Candida spp.:218例(28%)であった.Candida属菌の年次推移は尿培養にて若干増加傾向が見られたが,その他の検体では変化を認めなかった.尿培養における増加はC. albicans,non-albicans Candidaいずれも同様に増加していた.また,血液培養由来39株,血管内留置カテーテル由来10株の計49株に対し,amphotericin B(AMPH-B)flucytosine(5-FC),fluconazole(FLCZ),iraconazole(ITCZ),およびmicafungin(MCFG)の薬剤感受性試験を行った.5-FC,FLCZ,ITCZとMCFGに対する感受性はおおよそ保たれていた.
  • 浜田 幸宏, 小松 敏彰, 瀬戸 良教, 松原 肇, 久米 光, 砂川 慶介, 矢後 和夫
    2010 年 84 巻 2 号 p. 193-198
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    Liposomal-Amphotericin B(L-AMB)はAmphotericin B(AMPH-B)のリポソーム化製剤として2006年6 月に上市された抗真菌薬で,我が国における本薬の薬効および副作用に関する知見の集積は少ないのが現状である.今回,2007 年4 月から2009 年2 月までに北里大学病院においてL-AMB が投与された患者に対する有効性および安全性についてレトロスペクティブに検討を行った.評価対象となった25 症例中,16症例に真菌感染症の改善が認められた.また,血清クレアチニン値の上昇した症例は1 症例,血清カリウム値の低下が認められた症例は6 症例であった.その詳細を検討したところ用量依存的に血清カリウム値が低下する傾向であった.さらに,投与日数と血清カリウム値との関係について,ロジスティック回帰分析を行った結果,血清カリウム値の低下は投与後5~6 日でそのリスクが高まることが示唆された.以上よりL-AMB は高い有効性を期待出来るものの,血清カリウム値のモニタリングを行い,それに対する臨床的対応に留意すべきということが示唆された.
  • 木村 武史, 小森 敏明, 廣瀬 有里, 倉橋 智子, 山田 幸司, 京谷 憲子, 湯浅 宗一, 藤田 直久
    2010 年 84 巻 2 号 p. 199-205
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)は院内および市中感染型の感染症を引き起こす薬剤耐性菌として問題となるが,特に血流感染症は患者の予後の悪化や医療コストの増大を招く点で臨床的に重要である.MRSA の正確かつ迅速な検出が不可欠であるが,培養法を含む従来の検査法では感度や培養時間など種々の問題点があった.我々はreal-time PCR 法を用い検体から直接MRSA が検出可能なBD GeneOhm MRSA Detection Kit(日本BD)について基礎的検討を行ってきたが,今回血液培養ボトルから直接MRSAを検出した場合の検討を行った.本法の原理上の特徴はMRSAのmecA ではなくstaphylococcal cassette chromosome mec(SCCmec)上の配列を標的として測定することにある.陽性血液培養ボトルのうち鏡検で集塊状のグラム陽性球菌が認められた138 例について培養法と比較した検討では感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率はそれぞれ100%,97.3%,90%,100%と極めて良好な結果であり,陽性当日中のMRSA 判定が可能である.methicillin-susceptible S. aureus(MSSA)では 27 例中3 例偽陽性が認められ,mecA を欠いたSCCmec/orfX 領域を検出している可能性が示唆された.また同時に検討した直接コアグラーゼ試験は対費用効果に優れ,本法との併用でMSSA 判定も可能となり早期に標的治療が可能となる.MRSA 血流感染症の迅速診断は患者の予後の向上,医療費の削減をもたらすと期待されるが,本法はより適切な診断と治療に貢献できると思われる.
症例
  • 岩井 一也, 島田 信一郎
    2010 年 84 巻 2 号 p. 206-209
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    An 64-year-old-woman with hypersensitivity pneumonia treated with combined of prednisolone and sulfamethoxazole and trimethoprim had a history of infectious pneumonia due to an unknown pathogen. About two weeks before she was first seen, she noticed right back swelling increasing rapidly in size and pain. Incision of the skin lesion produced a massive amount of pus and a pus smear showed acid-fast gram-positive branching filaments confirming diagnosis of nocardiosis. Symptoms decreased following open drainage and intravenous ceftriaxone and amikacin administration, but the woman died of urinary tract infection three months after diagnosis. Organisms isolated from pus were identified as Nocardia farcinica, thought to have infiltrated secondariy from a pulmonary lesion to subcutaneous abcesses.
  • 曽木 広信, 長瀬 義孝, 山﨑 堅一郎, 小田 智三, 菊池 賢
    2010 年 84 巻 2 号 p. 210-212
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2017/08/18
    ジャーナル フリー
    As longer lives have become possible due to advances in medical technology and diagnostic technology in recent years, weakly toxic fungus have been emerging as causative agents of opportunistic infections, primarily in high-risk groups. We report a case in which the yeast-like fungus Stephanoascus ciferii, which has morphological characteristics that differ from those of the more common Candida species, was isolated by culturing the aural discharge of a patient with intractable otitis media. Drug susceptibility testing showed that it was resistant to fluconazole, flucytosine, and itraconazole, suggesting that it is a species that has a strong tendency to become resistant. The principal sites of infection by Stephanoascus ciferii are thought to be in the ENT area, but in other countries it has been isolated from patients with acute myeloid leukemia and immunodeficiency as well as superficial mycoses, and it may also be a causative agent of deep mycoses. We therefore think that it is necessary to bear in mind detection in other areas outside the ENT field and to adequately monitor the circumstances under which this fungus is isolated.
feedback
Top