日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
35 巻, 4 号
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  • D. V. Sarbach
    1962 年 35 巻 4 号 p. 241
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
  • 二宮 和彦, 草水 純男, 安田 絃市, 怡土 聚作
    1962 年 35 巻 4 号 p. 242-249
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    各種の平均分子量のSBRについて50~120°Cの温度範囲でムーニー試験機による測定をおこなったところ, ムーニー指度の時間的変化はいずれも既報の実験式によって記述されることがわかった. これらの式にふくまれる5個の定数のうち, ML0およびXLは温度によってその値は変化せず, τ, ALおよびALはすべて温度とともに Arrhenius の式によって記述されるような温度依存性を示し, 見掛けの活性化熱はいずれも5~6kcal/molの値であった. SBRに可塑剤として芳香族系およびナフテン系伸展油を0~110PHR混入した油展ゴムについても, やはりムーニー指度の時間的変化は既報の実験式によって例外なく記述されることが確められた. 可塑剤効果はτ, YLおよびALにあらわれてML0およびXLにはあらわれず, 一方稀釈効果はτ以外の4定数にすべてあらわれることを示した.
  • 二宮 和彦, 草水 純男, 日高 隆, 怡土 聚作
    1962 年 35 巻 4 号 p. 250-256
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    SBRに数種の活性および非活性充填剤を10~100PHRの範囲で混練りによって混入したマスターバッチを100°Cでムーニー試険機によってテストしたところ, ムーニー指度の時間的変化はいずれも既報の実験式によって記述されることがわかった. これらの式に含まれる5個の定数のうち, 緩和過程の消滅速度を支配する定数. τおよび (AL/XL) はいずれも充填剤の種類および量によらないことが判明した. 次に定常流動粘度に関係のある定数, YLは充填剤量を容積分率によって評価すれば充填剤の種類によらずすべてGuth-Gold の式によって記述される程度の容積分率依存性のあることが判明した. ALおよびXLはともに各充填剤についてYLと同様な容積分率依存性があるが, 同じ容積分率について比較すると充填剤の種類による相違があらわれる. ML0の容積分率依存性は充填剤の種類によって異なり, Guth-Gold の式によって記述される程度のものや容積分率に殆んど依存しないように見えるものがあることが判明した.
  • 網島 貞男, 吉田 丈二
    1962 年 35 巻 4 号 p. 257-261
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    岩石や石炭をコンベヤベルトで運搬する時走っているベルト上にそれ等を落下させることがある. このような場合落下する岩石や石炭のためにコンベヤベルトは繰返し衝撃をうける. これ等の衝撃の大きさがある値以上になると, コンベヤベルトの破壊の原因になる. この衝撃時の応力および伸びの状態がわかれば, コンベヤベルト設計に対してそうとう便利なことと思う. この目的のためにベルト上に落下物体があたった時の写真をとり, この写真よりベルトの部分伸び, プライ数, カバーゴム, 落下物体の尖端角等の関係をしらべた.
  • 網島 貞男, 吉田 丈二
    1962 年 35 巻 4 号 p. 261-267
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    数本のベルトで動力伝達をする場合, 各ベルトが同一の割合で動力を伝達しているかどうか疑問に感ずる. この論文はこの問題に関しての研究であって, 図1, 図2はこの実験に用いた装置を示す. Aはモーターで二本のベルトで動力はA軸からE軸に伝達される. BおよびCは調車でそれには試験すべきベルトが掛けてある両調車直径は4吋である. E軸は図1で点線で示す案内上を辷る. Hは調車でこれをへて, ロープで負荷をかける. これで試験するベルトに初荷重をかける. プロニーブレーキが軸Fにつけてある. このブレーキでベルトに負荷をかけその負荷の量は計算される. 試験ベルト上に二枚の燐青銅板を一定の間隔をへだててはりつける. 図3はベルト上にはりつけた燐青銅板を示す.
    ベルトの走行時において, この燐青銅板が電磁オッシログラフの端子と接触すると, 電磁オッシロの回路は閉じ, 図4に示すように, オッシログラフ用紙上にピークが表われる.
    ピーク間の時間Sを計算することにより, 二板の燐青銅間の距離を計る. この二枚の燐青銅間の距離より, ベルトに伝達される動力の比を計る. ただしこの時, ベルトの延びはそれにより伝達される動力に比例すると仮定する.
    この実験より一つの軸から他の軸へ数本のベルトで動力を伝達する時, 各ベルトは一般には同一の割合で動力を伝達していないことがわかった.
  • 網島 貞男, 吉田 丈二
    1962 年 35 巻 4 号 p. 267-272
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    この論文は辷っているベルトの温度上昇につき, 前報1)の実験装置と同じものを用いて研究を行なったものである. 試験には3種類のB型ベルトを用いた. すなわち55inと72inの長さで厚さが普通のものと, 55inの長さで厚さが普通より薄いものの3種である.
    走行中のベルトの温度上昇の原因は次の三つの条件によるものと考えられる.
    1) ベルトが調車間にはさまれる度ごとに起るベルトの繰返し曲げによる. (図2~5)
    2) ベルトが張り側, 弛み側に行くにしたがって起る張力の変化の繰返しによる. (図4~7)
    3) ベルトと調車間の摩擦による. (図8~10)
    同一回転数, 同一伝達馬力の下では, 同一厚さのベルトでは, ベルトの長い方が短いものより (72 in ordinary と55 in ordinary) 一般に温度上昇が低いのは単位時間中のベルトの曲げ回数が少ないからで, これはベルトの発熱がベルトの繰返し曲げに関係があることを示している (ただし, ベルトと調車間には厳密には必ず滑りがあり, 必然的に摩擦熱の影響は含まれている). 同種のベルトを伝達馬力のみを変化させ, その他の条件は同一にして使用した場合, 伝達馬力の高いベルトが上昇温度が高いのはベルトの張り側と弛み側との繰返しにより生ずる繰返し引張応力により生ずる発熱の影響を示している (ただし, この場合も摩擦熱の影響は含まれている). 同一長さで, 厚さの厚いものと薄いもの (55 in ordinary と55 in thin) とでは薄いものの方が一般に上昇温度が低い. これは厚さの薄いものの方が厚いものよりベルトが曲げられた時運転中のVベルトの温度上異について 日本ゴム協会誌生ずる曲げ応力が小さいからで, これはベルトの温度上昇にベルトの曲げ応力が大いに関係あることを示している. ただし1,300r.p.m.附近では厚さの影響, 伝達馬力の影響がはっきり表われていない. これは, ある程度回転数が高くなると, われわれが実験を行なった範囲の条件では厚さの差による曲げ応力の差, 伝達馬力差による繰返し引張応力差はあまり大きくないので誤差の範囲内に入ってしまうのであろう. しかしこの場合 (1,300r.p.m.) でも長さの長いベルト (72in) は短いベルト (55in) より常に上昇温度が低い (1, 2の例外の他は常に低い) ことは単位時間内の繰返し曲げ回数が低いためで回転数が高いほどその傾向ははっきりしている.
    ベルトと調車間の滑りにより発熱することは図6~8より明かである.
  • 福田 春子, 釼 実夫, 黄海 升美, 樫村 敏行, 竜 久則
    1962 年 35 巻 4 号 p. 273-278
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    第1報で獲られたトリアジンとチアジアゾール類, および, 第2報で獲られた二つの型の化合物すなわちメルカプトチアジアゾールをジエチルカルバモイル基, ベンゾチアゾール基, シクロヘキシルアミノ基, モルフォリニルメチレン基と結合させた化合物ならびにチオールスルフォネート基をもつ化合物を天然ゴムの加硫促進剤として使用した.
    白艶華配合とカーボンブラック配合で, 一定条件で獲た加硫物を市販促進剤D•M•TTの場合と比較し, いずれの化合物も市販促進剤とほぼ比肩しうる効果をもつことを確めた. また, 加硫物の促進老化試験を行なったが, 老化の程度も市販促進剤を用いた場合と大差はなかった.
  • 1962 年 35 巻 4 号 p. 278
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
  • 藤咲 洋平, 長崎 光正
    1962 年 35 巻 4 号 p. 279-283
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    代表的な硬質塩化ビニル配合体について, 高化式フローテスターを使用し. 加工時適用される温度範囲において, その流動特性を調べた結果, 非ニュートン流体の流れの速度勾配Dを表わす式として
    D=1/η*τnw
    が成立することが知られた. ここにη*は粘性係数, τwは壁面の剪断応力, nは非ニュートン常数である. 硬質塩化ビニルにおいては, 160°C以上でもnの値は2よりも大で, 他のプラスチックに比べて著しく大である.
    次に Poiseuille の式を用いて種々なτwに対する見掛けの粘性係数η*Aを算出し, これをτw=0に外挿してη0を求め, 絶対温度Tに対し logη0と1/Tが上記の温度範囲内では直線的になることを知り, これにより各処方の流動の活性化エネルギーを算出した.
  • 沢田 昌子, 山路 功, 山科 孝雄
    1962 年 35 巻 4 号 p. 284-290
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    濾紙電気泳動法を応用していろいろなゴム用老化防止剤を迅速に分離•確認する方法について研究した. 老化防止剤の大部分は水に難溶性であり, そのままでは電離しないのでスルファニル酸のジアゾニウム塩とカップリングさせてアゾ色素とすると品種によってそれぞれ特有の発色を示すと共に電離性を生ずる. このアゾ色素について濾紙電気泳動を行なわせれば各種の老化防止剤の検出が可能となる. すなわち, アミン系老化防止剤は酢酸溶液とし, 同じく酢酸に溶解したジアゾニウム塩とカップリングさせ, 酸性電解液 (酢酸•イソプロパノール•水混合系) を用いて電圧700Vにおいて電気泳動を行なわせ, またフェノール系老化防止剤は, エタノール性水酸化ナトリウム溶液に溶解し, ジアゾニウム塩とカップリングさせた後, ホー砂水溶液, またはホー砂の含水メタノール, あるいはエタノール溶液を電解液として電気泳動を行なわせた. 適当な時間通電後, 濾紙上における物質の色と移動距離を観測することによつて各老化防止剤の検出が容易であった.
  • 沢田 昌子, 山路 功, 山科 孝雄
    1962 年 35 巻 4 号 p. 291-295
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    前報に述べた滬紙電気泳動法によるゴム用老化防止剤の検出法を応用して加硫ゴム中に存在する老化防止剤の分離および確認を行なう方法について研究した. 細断した加硫ゴム試料をアセトンによって抽出し, 抽出液からアセトンを留去, 乾燥後, アミン系老化防止剤が含まれている場合は乾燥物を酢酸に溶解し, フェノール系老化防止剤が含まれている場合はこれをエタノールまたはエタノール性水酸化ナトリウム溶液に溶解した. p-ジアゾベンゼンスルホン酸とのカップリングによりアゾ色素を生成させた後, 滬紙電気泳動を行なわせた. 適当な時間通電した後, 滬紙上における呈色とその移動距離を観測することによってアミン系老化防止剤については, 加硫ゴム中に単独に配合されている場合はもちろん, 2~3種が混合して存在する場合においても, それぞれ容易に分離および確認することができた. 2~3のフェノール系老化防止剤が混合して存在する場合においては分離不可能の時もあった. 加硫促進剤あるいはその他の配合剤の存在が上記の分析法に与える妨害作用はアルデヒド•アミン系促進剤を使用した時以外には認められなかった.
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