透明度のすぐれた加硫ゴムを得るためには, ゴムに近い屈折率を有する充てん剤を配合すると同時に, 加硫促進助剤としての亜鉛華の代わりに, 透明性向上のために炭酸亜鉛を使用したり, 亜鉛華をきわめて少なくすると同時に, 架橋剤としてのイオウの使用量を減少させて, 超促進剤を用いるのが普通である.このような手段とは別に, 普通のイオウ, 加硫促進剤, 亜鉛華配合に, 透明剤を加えて透明ゴムを得る方法が, 研究されるようになった.たとえば, 酢酸アンモニウムの使用はその一例である.しかし天然ゴムやブチルゴムには有効であるが, SBRに対しては成功しておらず, 最近のポリブタジエンゴムや, 合成天然ゴムに対しても不明である.そこでどの汎用ゴムに対しても, 有効な新しい透明剤の開発に関して検討を加えることにした.
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