日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
44 巻, 8 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 神原 周
    1971 年 44 巻 8 号 p. 633-644
    発行日: 1971/08/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    本日は精工化学株式会社の25周年に当りまして講演をさせていただきます機会を得ましたことを, 厚くお礼申し上げます.
    私は, 精工化学の前社長君島先生にはいろいろなことでお世話になっております.非常に昔のことでいつという記憶がはっきりしませんが, わたくしがゴムに入れます充てん剤と促進剤が一緒になったようなものを作ってみたいとかねてから考えておりました.これは昭和10年頃田中芳雄先生の助手をしておりましたころにそういうことを考え, そしていろいろな炭酸カルシウムとか, あるいはカーボンブラックにうまく吸着するか, 化学結合してある部分は促進剤として働き, ある部分は充てん剤, 補強剤として働くことを考えました.私にはよくわかりませんので君島前社長にご相談いたしまして, いろいろなアドバイスを得たことを記憶しております.それで配合試験などをやりました結果, 大変おもしろい結果が出てまいりましたのが, その後発展いたしまして今日白石工業さんでつづけて作っていただいております白艶華のUであります.そういったこともありますし, それから精工化学さんには, その後私どもがいろいろやっかいな化合物が欲しくなりましたときにいつもお願いいたしました.工大におりました終りの頃に有機半導体の研究をいたしました.その有機半導体はなかなか複雑な化合物を作らなければなりませんので, そういったことでもいろいろご援助を得まして, 大変研究を進めさせていただいたこともあります.
    そういうことでありますので, かねて25周年の機会に話をしろということを仰せつかったときにお引受けしようと考えておりました.たまたまゴム協会の今年の総会が先般名古屋で開かれましたときに, 私にはからずもゴム技術有功賞という栄えある賞をお授け下さいました.ところが私はこのごろ何かといたずらに間口ばかり広がり, なかなかゴム協会のお世話, お手伝いをすることができませんで, 非常に心苦しく思っておりましたところであります.そういった多少の責任をここで幾分なりとも果すことができれば幸せと存じまして, 今日まかり出た次第であります.
    きようは「最近の高分子材料の動向」といった漠然とした話をいたします.これは勝手なことでございますが, この26日に高分子学会の年会がございまして, 私はからずも高分子学会の会長を仰せつかりまして, そこで記念講演をさせられました.そのときに「高分子工業の未来」という話をしたわけであります.それをお聞きいただいた方もおありかと存じますが, スライドなど準備いたしました関係もあり, その高分子学会の話にも多少触れ, また, そこで使いましたスライドなども再びお目にかけることもお許しいただきたいと思います.
  • 神原 周, 君島 武男, 田中 胖, 樋口 桜五, 佐々木 健太郎, 国沢 新太郎
    1971 年 44 巻 8 号 p. 645-654
    発行日: 1971/08/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • ゴムの破壊機構に関する研究 (第7報)
    藤本 邦彦, 右田 哲彦, 粕谷 辰男
    1971 年 44 巻 8 号 p. 670-678
    発行日: 1971/08/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    SBR~カーボンブラック系加硫物の伸長過程における破壊核の発生状態, 破断面の形態学的観察, および破断形態, 破断応力, 伸びの統計的性質について検討し, 伸長破壊過程を次の5段階に分類した.
    I 微小量のゴム分子鎖破壊による内部応力分布平均化段階, すなわち, 集中応力の発生, 消滅段階
    II 破壊分子集団の生長段階。
    III 破壊分子集団の破壊段階.
    IV 破壊分子集団の破壊エネルギー伝播段階.
    V 破壊端部の応力集中による破壊進行段階.
    この過程でI, IIの段階はゴム破壊における構造鈍感性, すなわち破断力学量の分子像支配性, III, IV, Vの段階は破壊の統計的性格とぜい性破壊的性格を特徴づけるものと推論した。
  • BR, IR の劣化と安定化に関する研究 (第5報)
    田中 瑞穂, 沢田 豊衛, 大恵 英治
    1971 年 44 巻 8 号 p. 679-685
    発行日: 1971/08/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    酸化防止剤のゴムに対する酸化防止効果を調べる目的でBRおよびIRにアミン系酸化防止剤を添加し, 連続応力緩和試験方法を用いて検討した.その結果本実験条件では (i) BRのような橋かけ性の強いゴムでは酸化防止剤の効果の優劣を明らかにすることはできなかった. (ii) IRについて調べると, 酸化防止剤 PBNA, DNPPD などの応力緩和は大きく, PANAは測定不能であった.この要因を膨潤試験によって調べるとPBNAおよびPANAは他の酸化防止剤よりも膨潤率が高かった.したがってこれらはゴムの酸化も防止するとともに促進する傾向があると考えられた.しかしDNPPDは膨潤試験の結果では膨潤率が低いので, 物理緩和が入ってきているのではないかと思われた.これら緩和の大きかった要因ならびに測定不能であったことは, ゴムの酸化中酸化防止剤自身の揮散性, ゴムとの反応性および相溶性が関係していると推察された. (iii) ゴムの促進老化試験と応力緩和試験の結果とは必ずしも一致した相関関係は得られなかった.この要因はその評価方法に相違があるためと考えられた.
  • ハードクレーの特性に関する研究 (第3報)
    川崎 仁士, 板谷 克彦, 畑 宏, 岸 二郎
    1971 年 44 巻 8 号 p. 686-691
    発行日: 1971/08/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    ハードクレー配合ゴムの配向性の問題をX線回折法で検討した.常法により粉体を測定した場合と異なり, 未加硫物, 加硫物いずれにおいてもハードクレーの (00l) 面に起因している回折ピークが異常に強くなり, かつ他の面に起因する回折ピークはほとんど認められなかった.これらの結果からハードクレーはゴム中でゴムの流れ方向に平行に配列していることを明らかにした.一方配向しているハードクレーやハードクレー配合ゴム加硫物の赤外線吸収スペクトルを, 試料に対して赤外線が当たる角度をいろいろ変えて測定したところ, 角度により3700, 3660cm-1付近のハードクレーのOH基に起因している吸収強度, とりわけ前者のそれが大きく変化することを認めた.これらIRの結果もゴムに配合したハードクレーがゴム中で配向していることを支持した.
  • 橋本 勉, 川崎 信弘, 古田 和美
    1971 年 44 巻 8 号 p. 692-697
    発行日: 1971/08/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    ネオプレンWRTの分別物について, 転移領域では動的損失弾性率を, 終端領域ではずりの緩和弾性率を測定し, 幅広い時間域にわたる緩和スペクトルを得て, 線形粘弾性各量に及ぼす分子量および分子量分布の影響を検討した.合成曲線を作る際に得られる移動係数はWLF式に従い, その時のガラス転移温度は-50℃であった.そして緩和弾性率曲線を積分して求められる定常流粘度ηと重量平均分子量Mwとの間にはη=M4w×10-14 (25℃) が分子量分布によらず成り立つこと, また絡み合いを作るに必要な臨界の分子量Mcrを緩和スペクトルを用いたFerryらの方法により評価したところおよそ32,000であることなどの結果が得られた.
  • 1971 年 44 巻 8 号 p. 697
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1971 年 44 巻 8 号 p. 698-699
    発行日: 1971/08/15
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル 認証あり
  • 1971 年 44 巻 8 号 p. 699
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル 認証あり
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