プラスチックのねじれ物性は, 実用上の要求があるのにもかかわらずその報告がほとんど見当たらない.そこで性能の相対的比較と劣化によるその低下を調べることを目的として, 作成が容易な試験片を用いる簡易ねじり試験機を考案試作した.
試験片は直径6.5mm以下の市販のプラスチック丸棒を長さ50mmに切断したものをそのまま使用する.これを市販のドリルチャックにてくわえ, その一方は抵抗線ひずみ計を張ったシャフトを介して固定され, 他方はモーターと変速ギヤシステムによって定速に回転させられる.試験片表面のせん断応力は, ねじれトルクより換算され, ねじれ角は時間に比例するので, ねじれの応力-ひずみ線図を自動記録することができる.
実用化実験の結果, 試作した2台の試験機は, プラスチックのねじれ物性やねじれによる応力緩和を簡便に調べるのに利用できることがわかった.
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