チアゾール系, チウラム系, ジチオ酸系およびグアニジン系より, それぞれ数種の加硫促進剤を選び, 加硫促進剤の種類による加硫ゴムの耐老化性の変化について調べた.
ゴムの耐老化性は, 使用する加硫促進剤により大きく変化することがわかった.
チアゾール系促進剤は, ゴムの耐熱性をよくするが, 耐オゾン性, 耐候性はよくない.
一方チウラム系, ジチオ酸系促進剤は, 耐熱性はよくないが, 耐オゾン性, 耐候性にはすぐれた効果があることがわかった.
老化防止剤を加えた加硫ゴムの場合は, 老化防止剤がラジカル連鎖禁止剤 (たとえばフェノール系, アミン系老化防止剤) であるときには, 老化防止剤と促進剤残渣との間にはすぐれた相乗効果があり, 老化防止剤が過酸化物分解剤 (たとえばメルカプタン系, サルファイド系, リン系老化防止剤) であるときには, 老化防止剤と促進剤残渣との間にはほとんど相乗効果がなかった.
加硫ゴムより促進剤の残渣の抽出および抽出物へ残渣と同一物 (PZあるいはMZ) の抽入により, 加硫ゴムの耐老化性は, 加硫促進剤の残渣により変化することが確認できた.すなわちMZ (あるいはM) は耐熱性向上にすぐれた効果があり, PZはほとんど効果がない.またMZ (あるいはM) は耐オゾン性, 耐候性をわるくし, PZは耐オゾン性, 耐候性をいちじるしく向上することがわかった.
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