天然ゴムに1,3-ジオキサンと塩化スズ (II)・2水和物とを混合量を変えて配合し, 加熱して, 橋かけ性ならびに得られた橋かけゴムの諸種の物理的性質を調べた。その結果, 1,3-ジオキサンは塩化スズ (II) の存在下で加熱すると, 天然ゴムの橋かけ剤となり得ることを知った.その橋かけ反応は, 1,3-ジオキサンを塩化スズ (II) の存在下で加熱するとき, その分解で生成するホルムアルデヒドによるものであることを確かめた.
橋かけゴムの性質は, 1,3-ジオキサン/塩化スズ (II) のmol比を5の割合で配合したとき最もすぐれていた.mol比<5.0では, 酸によるゴムの環化反応が認められ, 物性も劣る.またmol比>5.0では, 1,3-プロパンジオールの副生成量が多くなるために, 十分な強度を示さなかった.橋かけゴムの最大強度は1,3-ジオキサンを22PHR配合したときに得られた.
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