テトラメチルチウラム-モノサルファイド (TS), テトラメチルチウラム-ジサルファイド(TMT), テトラエチルチウラム-ジサルファイド (TET), メルカプトベンゾチアゾール (M) および Zn-ジブチル-ジチオカーバメイト (BZ) の常温における透電恒数を測定して, 永久双極子能率を算出し, 一方, 赤外吸収スペクトルの結果を利用してそれぞれの分子構造を推定した.
1) 実測した各試料の永久双極子能率は次のごとくである.
TS……5.36D TMT……2.58D TET……2.17D BZ……2.20D M……3.44D
2) TSにおいては, 二重結合の二つのイオウ原子は同一平面上にあってシス型をとり, 中央のイオウ原子の結合角は約145°である.
3) TMT, TETおよびBZの二重結合の二つのイオウ原子もやはり同一平面上にあってシス型をとり, 中央のイオウ原子の結合角は約110°であってTSに比較すると立体障害の影響が減少している.
4) Mにおいては互変異性構造をとる.
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