アタクチックポリプロピレンのジクミルペルオキシドによる架橋では, 反応中でのポロプロピレンラジカルのベーター切断による崩壊のため, 形状安定の架橋物が得られない. この系に液状ポリブタジエンを添加すると形状安定の架橋物が得られた. ポリブタジエンのミクロ構造の相違により, 架橋の進行に大きな差異を生じた. 1,2-ポリブタジエン添加では, 二重結合の消費が急速かつ大であり, 高い架橋密度と5以上の高い架橋効率が得られた. 1,2-ポリブタジエン-ポリプロピレンブレンドのペルオキシド架橋は, 1,2-ポリブタジエンの二重結合に対するラジカル移動反応によって伝播されるポリブタジエン-ポリプロピレンの共架橋によって進行すると考えられる. 1,4-ポリブタジエン添加では, 二重結合の消費が小であり, 低い架橋密度と1以下の低い架橋効率が得られた. 1,4-ポリブタジエン-ポリプロピレンブレンドのペルオキシド架橋は, ポリマーラジカルのカップリングによって進行すると考えられる.
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