現行ゴム関係のJISでは引張強さと伸びに加瀬理論による加重平均法を採用しているが, 筆者はダンベル形と実験方法の改良によりメジアン法が現実に合致するようになると思う.すなわち (1) 標線間の最大キズあるいは最小断面から必ずしも切断しない (標線外切断の多い事実など) から, 代表値としてのメジアン断面積で引張強さを算出する. (2) 標線外切断の少ない改良ダンベル形を用い, 特に異常切断でない限り標線外切断値も除外しない. (3) 切断時標線が曲る時にもその最大伸びを読まずメジアン伸びを読む. (4) 標線間の厚さの不同をできるだけ小にする. (5) 試片のつかみ位置は浅く一定にし, つかみ部の粘着, すべり, ぬけ, 曲りなどの起らぬよう管理を厳にする. (6) 加硫の不同なものは同一ロットとみなさない.
以上のように極値測定をさけ, 合理的に管理すればデータ分布も極値分布にならず, 近似的に正規型となり計算も簡便, データの統計的解析も容易となり, 非常に能率的になると思う.
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