ゴム表面のオゾンき裂の機構に関する第1報の理論3)と実際との関連性を検討した.
オゾン化空気にばく露した伸張ゴムおよび未伸張ゴムの表面の電子顕微鏡による観察により, 未伸張ゴムの表面が酸化皮膜によって覆われていく過程と, 伸張ゴムにおけるき裂の成長過程を明らかにした. また抗オゾン剤のゴム表面への移行がゴムの耐オゾン性に関係することを実験的に直接示すことに成功した. これらの事実から, オゾン濃度や伸張の効果によりオゾンき裂の形状がかわることを説明するには, 第1報の理論3)に, さらにゴム表面の応力緩和という概念を導入ずれば定性的には充分に理解できることを示した.
なお伸張率とき裂発生までの時間, 軟化剤と耐オゾン性の関係, オゾン濃度と耐オゾン剤の濃度がゴムの耐オゾン性に与える挙動等の事実は第1報の理論3)によく一致した.
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