PVC-ゾーノトライト混合系においてゾーノトライト (6CaO•6SiO
2•H
2O) をシランカップリング処理 (信越化学KBM602; 処理量1%) した場合の機械的性質への影響を調べた. 引張破断強さはシランカップリング処理(SC処理)した場合, 充てん量の増加とともに増大し未処理に比べて顕著な補強効果を示した. しかし破断伸びは未処理に比べ減少した. 伸びの温度依存性については90~100°Cで最大となり, 引張速度が大きくなるほど最大点は高温側にシフトした. また引張強さについて時間及び温度依存性を調べたが, 伸びが著しく低下するにも拘わらず, 得られたマスターカーブは未処理に比べてむしろラバーライクな様相を示し, かつ充てん量の多い試料の方が逆に未充てん試料のマスターカーブに近似すると云った興味ある傾向が見られた. なおマスターカーブにおける移動係数STの温度依存性は一応WLF型を示した. 次に衝撃強さへの影響については未処理の場合と大差ないが, 充てん量の多いところで未処理より若干改善される傾向が見られた. 以上の結果からSC処理によってPVCとゾーノトライト界面でかなり高い接着効果が発現していると考えられる.
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