平均鎖の仮定に基づいて誘導した加硫ゴムに対する弾性式,
f=
kT (α
m/2ln1+α/α
m/1-α/α
m-1/α
2) +6の適用性をSBR加硫物について検討した.純ゴム配合物については過酸化物並びに硫黄加硫系ともMooney Rivlin式では適合不能の伸長率αが3以上の大変形領域に至るまで良い直線性を満足することがわかった.同時に, Mooney-Rivlin式ではほとんど適用不能のもどり曲線に対しても, 満足すべき結果を得た.しかし, 原点近傍の微小変形領域と破断伸びに近い極大変形領域において多少の離反が認められる.本理論式のフロント定数kは, 加硫剤濃度の変量試験から網目濃度に比例するパラメーターであることがわかりMooney-Rivlin式の
C1項と相関性のあることがわかった.また, 本理論式の付加項bと
C2項との相関性についても検討したが, 現段階では統一的な結論は下し得ない.
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