網目鎖長および架橋点の構造が異なる架橋ポリウレタン網目を合成し, その物性に及ぼす鎖長や架橋点構造の影響を検討した. PTMG1000, 2000, 3000の3種の分子量のポリオールと2,4-TDIからのNCO末端プレポリマーを, トリメチロールプロパン(TMP)とトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEI)の混合架橋剤により架橋してポリウレタン網目を合成し, 密度, 膨潤, 熱的性質, 破断特性, 繰り返し引張り下の応力-ひずみ関係および動的粘弾性挙動を調べた. その結果, 次の結論を得た.
(1) 原料ポリオールの分子量が高くなると, ポリオール鎖と架橋点の相分離傾向およびポリオール鎖の結晶性が増大する.
(2) 2000, 3000の分子量のポリオールを用いた場合, THEI含量が多くなるほどポリオール鎖と架橋点の相分離傾向およびポリオール鎖の結晶性が増大する.
(3) 鎖長や架橋点構造が変化しても, ゴム状態でのヤング率はほぼ一定の値を示す.
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