オシレーティング・ディスク・レオメータを用いて, 天然ゴム-イオウ-CZ系のカーボンブラツク配合ゴムの加硫反応について解析を行なった.すなわち,
Iを
t時間後のレオメータのトルク値,
I∞を最大のトルク値とすると, 加硫反応速度は,
dI/dt=
k (
I∞-I)
nの形になるものと仮定し, 得られた加硫曲線の各点における接線の傾斜角より反応速度
dI/dtを求め, log (
dI/dt) とlog (
I∞-I) をプロットして反応次数
nおよび反応速度定数
kを算出した.その結果, 純ゴム配合物においては1次反応となるが, カーボンブラックが混入されると, カーボンブラックとゴムの反応によって支配されると考えられる部分と, ゴム分子とイオウの反応によって支配されると考えられる部分に分かれることがわかった.しかしレオメータのトルク値の代わりに網目濃度を用いて解析すると, 1次反応となり, カーボンブラックの濃度によって活性化エネルギーや活性化エントロピーに差が認められなかった.さらに結合イオウを定量とすることにより, この反応を調べたところ, カーボンブラックが関与した反応が加硫初期で起こっているものと推察された.
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