末端にビニル基を持つ液状ポリマーとして, 末端アクリルアミドを持つポリテトラメチレンエーテルグリコールビスアクリルアミドとスチレン, アクリル酸メチル, メタクリル酸との共重合体について述べる.スチレンとの共重合体は, 共重合体中の液状ポリマーブロックによってポリスチレンブロックが可塑化され, ポリスチレンのTgよりははるかに低い温度にTgが現れる.一方アクリル酸メチルとの共重合体においては, ポリアクリル酸メチルのTgより高温側にTgが見られた.またメタクリル酸との共重合体においては, G'の温度依存性がスチレンやアクリル酸メチルとの共重合体よりはるかに低く, 明確なTgを示さない.以上の結果は, 前に報告したメタクリル酸メチルとの共重合体とスチレンの場合とが似ており, アクリロニトリルとの共重合体とメタクリル酸の場合とが似ている.アクリロニトリルやメタクリル酸は極性の大きいモノマーであり, これらのことから共重合体中の低分子モノマーブロック部と液状ポリマーブロック部との相溶性が, 物性に大きな効果を及ぼしているのであろう.
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