けい酸カルシウムをPVCに充てんして200℃前後の温度で加熱処理を行うとPVCは架橋化する.そこで本研究はゾーノトライト (6CaO・6SiO
2・H
2O) をPVCに10~40phr充てんして190~210℃, 5~20分加熱処理を行い架橋化せしめて, 機械的性質 (引張強さ, ヤング率, 衝撃強さ) に及ぼす加熱処理の効果を検討したものである.
結果は, 引張強さとヤング率はいずれも加熱処理により増大するが, 衝撃強さは低下する.
引張強さとヤング率は200℃で加熱処理すると, 10及び20phrの場合10分処理のとき, もっとも高い値を示すが, 40phrでは20分処理のほうが高い値を示し, 加熱処理時間と充てん量の間に交互効果が認められる.耐衝撃性では引張強さやヤング率の場合とちょうど逆の傾向が見られる.
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