本報は加硫ゴムの劣化現象考察のための一つの実験として生ゴムの酸化劣化について検討したものである。
その結果同一系統の生ゴムでも劣化前の酸素含有量により異つた劣化結果を与えることが分つだ。その原因がゴム中の Hydroperoxide によるものであり、をの分解、生成の間には一定の関係があることを理論並に実験的に検討した。この結果は他の合成ゴムにも、また加硫ゴムにも拡大して適用出来るも
のと予想される。
更に100~120°Cに於ける酸素による分子量低下について検討し、分子分裂の活性化エネルギーとして16Kcal/molを得、この温度範囲では分子分裂反応は専ら酸素量に比例することを認めた。
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