日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
32 巻, 10 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 富久 力松
    1959 年32 巻10 号 p. 749
    発行日: 1959年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
  • (第1報) ビニル電線被覆層の残留歪の分布
    細田 喜六郎
    1959 年32 巻10 号 p. 751-755
    発行日: 1959年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    近時, ポリ塩化ビニルは, 広い分野に渉り使用されているが, これは成型に当り, 不可避的に内部に歪が残留し, 成型品の諸性質に影響を及ぼし, また, 成型品の二次加工において, 歪の復元性を利用すること等もあり, 歪は重要な研究課題の一つである.
    本報告は, 複屈折率, 膨潤異方及び加熱収縮により, ビニル電線被覆層中の歪の分布を求め, コアーに接する被覆層の最内側の薄層に著大な歪が残留し, 中央層, 外側層にも多少の歪が残留していることを明らかにしたものである.
  • (第2報) 残留歪の発生について
    細田 喜六郎
    1959 年32 巻10 号 p. 756-762
    発行日: 1959年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    本研究の対称となる歪は成型品に内蔵される残留応力に対応する残留歪であって, 常温で弾性的ないし弾性余効的に回復し得るもので, 巨視的な形態の束縛によって回復を制約されている歪と, 熱弾性余効的に回復し得るもので, 微視的な分子鎖間の相互作用による束縛のため回復を制約されている歪とがあるが, 前者を自由残留歪, 後者を束縛残留歪と名づけた.
    本報告は, 伸長によって生ずる束縛残留歪の発生率に及ぼす伸長率, 伸長温度, 伸長時間及び可塑剤量の影響を検討したものであつて, 伸長率が増大すれば発生率は飽和値に達し, 伸長温度が約170°Cに上昇すれば発生率はほぼ100%となり, 発生率は伸長時間の対数に比例して増加対るが極めて緩慢であり, また, 可塑剤の増加は発生率を減少させることを明らかにした.
  • 河岡 豊, 小田 英夫
    1959 年32 巻10 号 p. 763-767
    発行日: 1959年
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    カーボンブラック (CB) は原料の種類, 熱分解の方法などによって性質がいろいろ異なり, 加硫ゴムの物理的性質が相違する. この報告は原油をいわゆるハウザー方式によって分解して製造したKCB (協和醗酵工業 (株) のカーボンブラック) の特性について, 実用的可能性の有無について調査したものである.
    実験の結果, このKCBは十分な補強性があり, 次のような興味ある特色をもっており, 充分実用性があるとの結論を得た.
    1. 引張強さ (TB) が大きく, SRF, FEFと同等以上である.
    2. TBの割合に伸びが大きく, 同一硬さに対して廉価な充填剤を比較的多量に配合できる利点がある.
    3. 同程度のCBに比べてスコーチし難く, かつ発熱の少ないCBである.
    4. 補強性の大きいHAFと併用しても, ある程度までTBが低下しない. この場合には二次補強剤として利用できる.
    5. 他のCBと同様に吸湿性があるが, 実用的に支障はない. 硫黄, 灰分およびアセトン抽出分などについて測定結果を述べる.
    6. 表面処理して更に増強しようとしたが, 特殊の場合を除いては, 余り期待できなかった.
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