耳鼻と臨床
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60 巻, Suppl.1 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
第 19 回 頭頸部癌化学療法研究会
Ⅰ.下咽頭癌と食道癌の重複癌に対する治療戦略
Ⅱ.最新の放射線治療
  • 家根 旦有
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S31-S32
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
  • 全田 貞幹
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S33-S37
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    近年、頭頸部がんに対する放射線治療、化学放射線療法はもはや標準的な治療オプションとして定着しつつある。手術と対峙する放射線治療は 1980 年代から今に至るまで目覚ましい技術革新とともにその立ち位置を変えてきた。1980年代 − 1990 年後半までは 2 次元治療計画による放射線治療 : 2D-RT が主として用いられ、腫瘍を体積のある標的とは認識できないため、アイソセンターへの処方線量で周囲を推測するしかなかった。2000 年代に入り 3 次元治療計画による放射線治療 : 3D-RT が普及し、2 Gy という処方の意味も「点処方」から「Volume 処方」へと変化し、Target 以外の臓器にどれぐらいの線量が投与されているか把握できるようになってきた。現在その技術を応用したものに強度変調放射線治療(IMRT)があり、いわゆる「当てたいところに当て、避けたいところを避ける」という計画が可能になった。IMRT は理想に近い手法ではあるが従来の治療法に比べて多くのマンパワーを必要とし、日本の現状を鑑みると安易に多くの施設に導入できる状況ではない。今後工学系の進歩がなされた際には更なる治療成績の向上が見込まれ、手術治療との位置関係に再考が必要になる時期が来る可能性もある。われわれ頭頸部腫瘍関係者は手術治療、非手術治療の双方の変化に敏感になり、いつの時代もバランスのとれた治療選択ができるよう鍛錬が求められる。
  • 出水 祐介
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S38-S43
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    粒子線(陽子線・炭素イオン線)は、深部で停止する直前に最大のエネルギーを放出するため、周囲正常組織への線量は低いまま、腫瘍へ高線量を照射可能である。頭頸部領域における粒子線治療は主として悪性黒色腫、腺様嚢胞癌といった X 線抵抗性腫瘍に対して行われ、良好な治療成績を上げてきた。兵庫県立粒子線医療センターでは陽子線と炭素イオン線の両方が使用可能であるが、これまでの臨床成績の後ろ向き解析結果からは、治療効果・有害事象とも有意差を認めていない。陽子線よりもペナンブラがシャープな炭素イオン線は、特に重要臓器が密集している頭頸部領域ではより良好な線量分布を得られることが多い。本当に両線種の臨床成績に差がないかどうかを明らかにするには前向き比較試験が必要だが、主な対象が稀少腫瘍ということもあり、実現のハードルは高い。
  • 太田 一郎
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S44-S51
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    ホウ素中性子捕捉療法 Boron Neutron Capture Therapy(BNCT)は、中性子とホウ素の反応を利用してがん細胞のみを選択的に破壊する次世代の放射線治療である。ホウ素化合物をがん細胞に選択的に取り込ませ、低エネルギーの熱中性子線を照射することにより、周囲の正常細胞にダメージをあまり与えることなく、低侵襲にがん細胞のみを死滅させることができるため、BNCT は放射線抵抗性を示す再発性頭頸部癌や悪性脳腫瘍に適している。これまで臨床研究が進められてきた原子炉を用いた BNCT に代わり、病院隣接可能な加速器 BNCT が開発され、今後の臨床研究の発展が期待される。
  • 家根 旦有, 全田 貞幹, 出水 祐介, 太田 一郎
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S52-S60
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
Ⅲ.化学療法の未来
  • 丹生 健一
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S61-S62
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
  • 近松 一朗
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S63-S69
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    がん抗原が同定されて以来、ここ 20 年程の間にがんに対する免疫病態が解明され腫瘍免疫学の分野は大きく発展してきた。これらの知見を基にさまざまながん免疫療法が開発され、その臨床試験の数は年々増加している。そのような中、第Ⅲ相臨床試験においていくつかの免疫療法の治療効果が示されたことにより、アメリカ食品医薬品局 (Food and Drug Administration:FDA)は 2010 年に転移性ホルモン抵抗性前立腺癌の治療として自家細胞免疫療法である Sipuleucel-T (Provenge)を、2011 年にメラノーマに対して抗 cytotoxic T-lymphocyte antigen 4 (CTLA-4) 抗体である Ipilimumab を承認した。その他にも大規模あるいは多施設での臨床試験にて治療効果を示す免疫療法が確立されつつある。今後、さらにがん細胞の免疫抵抗性や免疫抑制機構の克服を目指してさまざまな免疫療法の開発が進められ、本療法が頭頸部癌の臨床の現場に登場してくる日も近いと思われる。本稿では、最近のこの分野についてのトピックスとして、がん免疫編集、がんワクチン療法、細胞療法 (キメラ抗原受容体 〔chimeric antigen receptor:CAR〕 発現 T 細胞療法)、抗体療法 (免疫チェックポイント阻害剤) について述べる。
  • 折舘 伸彦, 高橋 秀聡, 百束 紘, 佐野 大佑
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S70-S74
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    頭頸部扁平上皮癌の 5 年生存率が最近数十年間で大きな改善が認められない理由の一つとして、この癌がしばしば放射線耐性を獲得することが挙げられる。放射線耐性の頭頸部扁平上皮癌細胞に対する OBP-301 感染と放射線治療の併用療法の抗腫瘍効果について報告する。まず in vitro および in vivo で OBP-301 感染と放射線治療を併用し、その相乗効果の有無について検討した。次にアポトーシス誘導および DNA 修復能を検討した。その結果、放射線耐性細胞株に対する OBP-301 感染と放射線治療の併用は in vitro および in vivo で単独治療と比較して有意に高い抗腫瘍効果を発揮し、相乗効果が認められた。 OBP-301 感染は用量依存性に DNA 修復能に関連する複合体の発現増加を抑制した。 OBP-301 感染と放射線照射の併用は、これらの機序を通して頭頸部扁平上皮癌細胞の放射線耐性を減弱させる新たな治療戦略となり得る可能性が示唆された。
  • 岡野 晋
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S75-S79
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    近年、頭頸部癌領域の化学療法の発展に伴い、新規薬剤の承認が進み、適正使用のもとでの治療成績向上、有害事象低減、簡便化、費用削減など多くのことが求められている。 2012 年 3 月にパクリタキセル、12 月には分子標的治療薬であるセツキシマブが相次いで承認された。他領域においては、パクリタキセルが 10 年以上前から、セツキシマブも数年前から用いられているが、使用経験のないわれわれ耳鼻咽喉科・頭頸部外科医にとっては新規薬剤であり、その臨床導入にあたっては、薬剤の開発経緯・基礎知識を理解することはもちろん、既報の臨床試験や現在の治療開発の方向性をしっかりと解釈することで一般臨床へのスムーズな導入へと繋げることができる。
  • 丹生 健一, 近松 一朗, 折舘 伸彦, 岡野 晋
    2014 年 60 巻 Suppl.1 号 p. S80-S87
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
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