感染症学雑誌
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66 巻, 11 号
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  • 藤田 晃三, 室野 晃一, 吉河 道人, 坂田 宏, 丸山 静男, 西條 政幸, 滝本 昌俊, 高橋 庸二, 印鑰 史衛, 楠 祐一, 村井 ...
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1497-1501
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1977~1991年に散発の非化膿性合併症, 重症感染症患者から分離されたA群溶連菌29株の血清型別と発熱性外毒素型を調べた.
    疾病はリウマチ熱関節炎沖枢神経合併症, 急性糸球体腎炎・アナフィラクトイド紫斑病・敗血症・膿胸で, 菌は血液と胸水以外は咽頭スワブから分離された.
    分離菌のM血清型は, 多い順に1, 4, 3, 12, 18型などであった.すべての株に発熱性外毒素産生遺伝子が検出され, その型は, AあるいはAと他の型が24%, B単独が31%, BとCが45%であった.M血清型と毒素型との関連では, 1, 18型株はAまたはそれとほかの型の毒素, 1, 4, 12型株はBまたはそれとC型毒素を産生した.
    アナフィラクトイド紫斑病患老からの分離菌11株中7株はM-1, 2株はM.4型で, M-12型は認めず, 毒素BあるいはB-C型産生遺伝子が検出された.
  • 高橋 淳
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1502-1512
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Nontypable Haemophilus influenzae (H. influenzae) は呼吸器感染症の主要な起炎菌である.本菌は慢性気道感染症の患者では適切な化学療法を行うにもかかわわらず, 抗菌剤中止後に繰り返し感染することが知られている.この様な症例では, 毎回新たな感染が起こっているのか, それとも同一株による繰り返し感染であるのかを24人の慢性気道感染症患者について検討した.計124感染エピソードから得られた189菌株を serotype, biotype, 菌のOutor membrane protein (OMP)を用いて同一性を解析し, 感染間隔と対比した.16感染エピソード72喀疾を検討した結果, 同-感染エピソード期間中は1菌株による感染と考えてよいと思われた.感染間隔が15日以内では69.7%(23/33) が, 15日~30日以内では64.7%(22/34) が同一菌株による繰り返し感染であった.逆に30日以上では82.4%(28/34) が新たな感染であり, 30日を境にしてこの両者には統計学的有意差 (p<0.01) を認めた.本菌の繰り返し感染の機序は未だに不明であるが, 30日以上経ってからの感染と30日以内に繰り返す感染では, 感染菌株が異なり別に扱うべきであると考えられた.
  • 荒川 迪生, 中浜 力, 田口 善夫, 稲松 孝思, 斎藤 厚, 原 耕平, 江崎 孝行, 藪内 英子, 上田 泰
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1513-1523
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    厚生省レジオネラ症研究班は, 我が国でのレジオネラ肺炎発生状況を知るための第一歩として, 本疾患の診断基準を策定することになった.この目的達成の基礎となる確実な資料を得るため, 過去11年間に培養陽性で診断が確定した本邦レジオネラ肺炎28症例の臨床データを収集し, 多角的に解析した.
    28症例は北海道から九州までの全国にまたがり, このうち市中感染は19症例で全体の2/3を占め, 更にそのうちの8症例では有意な基礎疾患が認められなかった.好発年齢は60~70歳代であったが, 全体としてみれば患者は20歳代以上の成人と新生児 (1症例) に分布していた.28症例中生存し得たのは5症例に過ぎない.また死亡した23症例中5症例ではレジオネラ肺炎は一旦治癒した後, 他の疾患または他菌種による肺炎で死亡していた.臨床検査データ及び有効治療剤についてはこれまでの文献記載の事項にほぼ一致していた.
  • 加藤 はる, 加藤 直樹, 渡辺 邦友, 上野 一恵
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1524-1531
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Clostridium difficileの10種類のserogroup (serogroup A, B, C, D, F, G, H, I, K, X) 参考菌株に対する抗血清を用いてウェスタン・プロッティングを行いC.difficileのタイピングを実施した.使用した菌株はserogroup参考菌株の他に臨床分離株164株 (疫学的に無関係な114株およびニューヨークの病院におけるoutbreak株50株) である.まず, 10種類の参考菌株を対するhomologousな抗血清と反応させたところ, 30~60kDaの領域で各々のserogroupに特異的なパンドパターンが認められた.しかもheterologousな抗血清と反応させたときの交差反応はわずかであった.次に, これらの抗血清を用いて臨床分離株のタイピングを実施したところ30~60kDaの領域での特異性により164株中109株がいずれかのserogroupにタイプされた.さらに同一serogroupに判定された複数の株を相互比較したところ60kDa以上の領域でバンドパターンに明確なバリエーションが見られ, さらに細かくsubserogroupにタイピングすることが可能であった.同一病院でのoutbreak株では50株中33株 (66%) がsubserogroupG-1にタイプされ, non-outbreak株のsubserogroup G-1の分離は7.0%であった.このことからsubserogroupG-1株がこのoutbreakの原因株であることが示唆された.ウェスタン・プロッティング法は解析力の優れた安定したC. difficileのタイピング法と考えられ, 疫学的調査にも使用できるものと思われた.
  • 甕 その子, 栗原 友正, 杉田 光章, 倉茂 達徳
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1532-1537
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    ポビドンヨード及び次亜塩素酸ナトリウムの2剤の試験管内殺菌効果は, 著しく高かったが, 手洗い消毒効果は極めて低かった.それに対して, クロラミンT, クロルヘキシジン及び塩化ベンザルコニウムの3剤は, 試験管内殺菌効果は, 他の2剤に比して著しく低かったが, 手洗い効果は逆に他の2剤をはるかに凌駕していた.ポビドンヨード及び次亜塩素酸ナトリウムの試験管内殺菌効果は, ペプトン添加によって殺菌効果が著しく抑制されたが, クロラミンT, クロルヘキシジン及び塩化ベンザルコニウムの試験管内殺菌効果は, ペプトン添加の影響を受けなかった.これらの成績から, ペプトン存在下での試験管内殺菌効果を検討することが消毒剤の手指消毒剤としての適性を知る有効な手段となることが示唆された.
  • 塚本 定三, 木本 達雄, マガリエス マルセロ, 竹田 美文
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1538-1542
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    付着性大腸菌 (局在性) の検出をNataro et al.が報告したDNA (EAF) プローブを用いたコロニーハイブリダイゼーション法で試み, HeLa細胞への付着性と比較した結果, EAFプローブ法は感受性, 特難において培養細胞付着性を調べる方法と比べて遜色なかった.そこで, ブラジルの小児下痢症患者および健康者おのおの126名を対象に, 付着性大腸菌の検出を試みた.EAF陽性の大腸菌は下痢症患者のうち29名 (23.0%), 健康者のうち15名 (11.9%) から検出されたが, そのうちのおのおの23名 (18.3%), 7名 (5.6%) から分離されたEAF陽性菌をまEPECの血清型に属するものであった.そのため, EAF陽性でEPECの血清型に属する大腸菌は下痢症との関連性が深いものと想像された.検出頻度の高い血清型は055: H-, O111: H2, O119: H6であるが, これらはすべてEPECの血清型嘱するもので, そのなかでも0111: H2は下痢症患者のみに検出されたため, 他の血清型に比べて病原性が強いと思われる.また, EAF陽性でEPECの血清型に属さないが, 検出頻度が高かったO88: H25は下痢原性が疑われる.
  • 木村 昭夫, 五十嵐 英夫, 潮田 弘, 奥住 捷子, 小林 寛伊, 大塚 敏文
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1543-1549
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1990年8月より約1ヵ月間に, 全国国立大学付属病院43施設で分離収集された430株の黄色ブドウ球菌を対象とし, コアグラーゼ型別 (I型-VIII型), エンテロトキシン (SEA-SEE) およびToxicshockSyndromeToxin-1 (TSST-1) 産生性を調べた.微量液体希釈法にて, Oxacillinの最小発育阻止濃度 (MIC) が4μg/ml以上を, メチシリン耐性ブドウ球菌 (MRSA) とした.
    MRSAは430株の58.6%を占めた.入院患者由来株に対するMRSA割合は, 北海道を除き全ての地方で60%を超えていた.MRSAのコアグラーゼ型, 毒素産生性を調べてみると, コアグラーゼII型, SEC+TSST-1産生株が34.5%, コアグラーゼII型, 毒素非産生株が15.4%, コアグラーゼIV型, SEA産生株が10.3%, コァグラーゼII型, SEA+SEC+TSST-1産生株が8.7%, コラグラーゼIII型, 毒素非産生株が7.1%があった.コアグラーゼII型, SEC+TSST-1産生株は東北, 中部地区を中心に東本州に高率であるのに対し, 九州沖縄, 四国, 近畿地方では低率であった.コアグラーゼII型, 毒素非産生株は四国, 近畿地区に高率に認められた.コアグラーゼIV型, SEA産生株は北海道, 近畿地区に高率に検出された.コアグラーゼII型, SEA+SEC+TSST-1産生株は中国地区に比較的高率に認められた.コアグラーゼIII型, 毒素非産生株は四国地区に一番高率に存在し, 西日本のみに検出された.
  • 本田 順一, 横山 俊伸, 川山 智隆, 時沢 史郎, 安田 佳織, 田中 健, 名取 英世, 大泉 耕太郎
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1550-1555
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    血液悪性疾患患者で肺炎を併発した症例の血液, 尿, 喀痰を材料として, PCR法を用いたサイトメガロウイルス肺炎とカリニー肺炎の早期診断を試みた.サイトメガロウイルスに関しては8例中2例に陽性所見が得られたが, 1例のみ喀痰より陽性所見が得られた.その症例はガンシク・ビル投与により肺炎を治癒させることが可能であった.カリニーセこ関しては8例中3例が喀痰よ賜性所見が得られた. その3例ともST合剤の投与により肺炎を治癒させることができた.今回はPCR法をルーチン検査とすることを目的とし, 試料のDNA抽出を簡便化し, 検体の処理時間を短縮したが, 良好な結果をえることができた.
    PCR法は, 日和見感染症, 特にサイトメガロウイルス肺炎, カリニー肺炎の早期治療を目的とした早期診断を考えた場合, 大変有用であり, 積極的に施行されるべき検査法である.
  • 植松 香星, 三木 礼子, 千葉 直彦, 石川 晃一
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1556-1565
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    抗酸菌症の早期診断法の確立を目的として, 抗酸菌のPCR (Polymerase Chain Reaction) を行った.用いたプライマーはすでに報告されているdnaJ, 19kD, 64kD, 65kD領域の4組およびdnaJ遺伝子から作製した新たなプライマーYH1, YH2を用いた.dnaJについては, M.tuberculosis, M.bovisおよび今回使用した非定型抗酸菌のうちM.chelonaeを除く13菌種において236bpの大きさのDNAに増幅された.19kDプライマーおよび64kDプライマーについては, M.tuberculosisおよびM.bovisのみがそれぞれ320bpと240bpに増幅された.65kDプライマーについては, M.tuberculosisおよびM.bovisが165bpの大きさのDNAに増幅され, 異なる大きさのDNAに増幅された抗酸菌は8菌種13株みられた.YH1, YH2については, M.tuberculosisおよびM.bovisについてのみ増幅されそれぞれ300bpおよび150bpの大きさであった.
    PCRの感度について検討したところ, 最も感度の高いプライマーは64kDおよびYH1で, エチジウムブロマイド染色ではそれぞれ1pg, 非放射性プローブによるサザンプロットハイブリダイゼーションではそれぞれ1pgであった.
    抗舗の鑑別を行うためdnaJプライマーを用いてPCR-RFLP (Restriction Fragment Length Polymorphism) 法によって抗酸菌の鑑別を試みた結果.最終的には2種類の制限酵素を用いることにより結核菌群, M.avium complexおよび8種類の非定型抗酸菌が鑑別できた.
  • 三村 嘉寿男, 杉田 久美子, 田吹 和雄, 西村 忠史
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1566-1571
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    乳児期におけるマイコプラズマ感染症は, 元来, 稀とされていたが諸家による報告が散見されるようになった.今回, 大阪医科大学附属保育所においてマイコプラズマ感染症の集団発生を経験したので, 幼児・学童のマイコプラズマ感染症との比較を行い, 乳児マイコプラズマ感染症の特徴を検討した.
    今回経験した乳児マイコプラズマ感染症の臨床所見で, 発熱は38.5℃ 以上の高熱を示すものは少なく (40%15例中6例), 有熱期間も短い (平均3.5日).咳漱期間は, 幼児・学童症例に比べ短い (乳児=平均12.3日, 幼児・学童=平均18.7日) が, 喘鳴を示すものが多く (1歳未満児の6例中4例), 皮膚症状はみられなかった.検査所見では, 白血球数は増加傾向にある (平均10, 837/mm3) が, 左方移動はなく, CRPの上昇は軽度 (66.7%は2.9mg/d1以下) であった.マイコプラズマ抗体は3例を除き上昇はみられず, 寒冷凝集素価は4例にのみ上昇がみられた.胸部X線所見は, 肺紋理の増強程度で幼児・学童にみられる区域に限局した陰影はみられなかった.マイコプラズマ抗体の上昇はほとんどみられなかったが, 咽頭培養ではマイコプラズマ感染症と診断された15例中14例で, Mycoplasma pneumoniaeが分離された.
  • 小林 寅哲, 長谷川 美幸, 宮崎 修一, 西田 実, 五島 瑳智子
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1572-1579
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    臨床分離Pseudomonas aeruginosaのserotypeが, 抗緑膿菌活性をもつ常用の抗菌薬によって, in vitroで変化するかどうか検討した.
    種々のserotypeの42分離菌を, piperacillin, cefsulodin, ceftazidime, imipenem, gentamicinおよびnorfloxacinの1~4MIC存在下で35℃, 18時間培養後, 培養液中の菌のserotypeを判定した.各薬剤により, 試験菌の9.5~19.0%は原菌とは一致しないserotypeへの変化が認められた.この実験で得られた変異菌のserotypeは抗菌薬の種類とは関連性がなく, それぞれ試験菌ごとに1種または2種類のtypeへ変化する傾向がみられた.また同一の試験菌が薬剤濃度の相違により, 異なったserotypeに変化することが認められた.Pmdomonas aemginosaTA-2およびTA-13が抗菌薬と培地中で接触後, 変異菌の出現するtime courseを検討したが, cefsulodinまたはgentamicinの存在下, 培養6時間後から変異菌が出現し, 原菌と共に増殖することが確認された.
    以上の実験結果は, 既報の同一瀦より分離されたPseudomonas aeruginosaに2種以上のserotypeのコロニーが共存する一因として, それらの患者に投与された抗菌薬による感染菌のin vivoにおける変化の可能性を示唆するものと考えられる.
  • 田口 善夫, 中浜 力, 稲松 孝思, 荒川 迪生, 斎藤 厚, 原 耕平, 江崎 孝行, 藪内 英子, 上田 泰
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1580-1586
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    本邦におけるレジオネラ肺炎の実態解明の一助として1981年12月から1990年11月末日までに培養陽性であったレジオネラ肺炎28症例の胸部X線像を解析した.胸部X線写真上肺炎陰影の明らかな26症例の初回胸部X線像での陰影の性状についてみると, 肺胞性陰影は26例中21例 (81%), 間質性陰影は5例 (19%) であった.陰影は中下肺野に多く, 10例 (38%) では両側肺に認められた.経過中のX線像で空洞は1例に認められた.胸水貯留は肺内陰影がなく胸水貯留のみの1症例を加えた27例中19例 (70%) に認められた.この内4例は大量胸水であった.さらに胸部X線上での陰影の広がりを点数化した肺炎スコアー (0~10点) の平均値は生存例で3.3点, 死亡例で5.1点と後者の群が大きかったが, 統計学的には両群に有意差を認めなかった.初診時の肺炎スコアー5点以下の死亡率は53%, 6点以上の死亡率は89%であった (p>0.05).初診から1週間以内に死亡したいわゆる激症肺炎は12例であった.この28症例を市中感染群, 院内感染群と分け, さらに前者を基礎疾患の有無で2群に分け, 合計3群での胸部X線像を陰影の性状, 広がり, 胸水貯留, 肺炎スコアーについて統計学的に検討したがいずれも有意差は認めなかった.
    今回の検討からレジオネラ肺炎の胸部X線像の特徴は, 1) 肺胞性陰影を呈し, 2) 初期から両側性陰影を呈する症例が多く, 3) 経過中胸水貯留が高頻度に認められ, 4) 陰影の進展が急速であるという点であり, レジオネラ症を疑う上で臨床上留意すべき点と考えられた.
  • HIV培養, HIV-polymerase chain reactionによる診断
    八森 啓, 根岸 昌功, 味澤 篤, 南谷 幹夫, 本多 三男
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1587-1591
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    HIV母子感染の1例-HIV培養, HIV-PCR法による診断-
    児は生後3ヵ月 (1989年) 時に両親のHIV感染がわかった.7ヵ月時にはHIV抗体は消失し1992年までHIV抗体陰性の状態が続いている.しかし, HIVは10, 12, 14ヵ月末梢血単核球から培養され, HIV-PCRでは10, 14ヵ月で単核球から証明された.臨床症状でHIV感染症を示すものはなく, 2歳半の現在も元気で発育も正常である.また, リンパ球数, CD4数も正常である.この症例からHIV母子感染の証明にはPCR, HIV培養は欠かせない手段であることがわかった.
  • 橋口 浩二, 和田 秀穂, 山田 治, 八幡 義人, 吉田 耕一郎, 沖本 二郎, 梅木 茂宣, 二木 芳人, 副島 林造
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1592-1596
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Immunocompromised hosts usually develop invasive mycotic disease. Among many pathogenic fungi. Aspergillus spp, is the most common pathogen of respiratory infection. Early diagnosis of invasive type pulmonary aspergillosis is still difficult, and the treatment is usually difficult. Many investigations have recently suggested that detection of Aspergillus antigen from sera of the patients is useful for early diagnosis to save their lives. We have experienced a case diagnosed by the detection of circulating Aspergillus antigen by Pastorex® Aspergillus, who was a 64-year-old female with the blastic crisis chronic myelogenous leukemia. After anti-leukemic chemotherapy, she suffered from pneumoniae with pleural effusions and sever hypoxia, which did not respond to antibioties. At this point, her serum sample showed positive Aspergillus antigen by Pastorex® Aspergilius. She was treated by intensive antifungal chemotherapy, and thereafter improved quickly. Titers of Pastorex® Aspergillus were well correlated with her clinical course. The sensitivity of the test requires further improvement, but the specificity of the test is considered to be high enough for clinical use.
  • 根ケ山 清, 寺田 総一郎, 河西 浩一
    1992 年 66 巻 11 号 p. 1597-1598
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
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