近年分離された
Shigella flexneri4の特徴を把握する目的で, 1979~1993年に散発症例より分離され, 分離時の血清型別試験において
S.flexneri4aと型別された14株, 及び群抗血清に非凝集のため
S.flexneri4とまでしか同定できなかった24株, 合計38株の諸性状について検討した.
生化学的性状では, 38株中21株 (55.3%) と半数以上がマンニトール陰性の生物型であった.酢酸塩の利用性では, マンニトール陽性の17株は全て陰性, 同陰性の21株は全株陽性であった.
血清学的性状についてみると, 分離時に
S.flexneri4とまでしか決定できなかった24株では, 保存後の試験で22株 (91.7%) が群3, 4抗血清に反応することより, これらは基本的には
S.flexneri4aであることが判明した.
9種薬剤 (CP, TC, SM, KM, ABPC, ST, NA, FOM及びNFLX) に対する感受性試験では, マンニトール陽性の17株では15株 (88.2%), 同陰性の21株では12株 (57.1%) が供試薬剤いずれかに耐性であった.但し, KM, NA, FOM及びNFLXには全株が感受性であった.
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