初診時の臨床所見で脳, 頸部の循環障害が疑われためまい症例に血小板機能検査を施行し, 血小板凝集能の亢進を認めた症例22名を対象としてBeraprost sodium (ドルナー (R)) の有効性を検討し以下の結果を得た.
1. 自覚症状の改善度は著明改善12名, 改善7名, やや改善2名, 不変1名で改善率 86%と高い有効性を認めた.
2. 治療前に眼振を認めた症例は12名で, 眼振の改善度は, 著明改善4名, 改善5名, やや改善2名, 不変1名で改善率75%であつた.
3. 治療前に階段状, 失調性の視標追跡運動を認めた症例は12名で, 視標追跡運動の改善度は, 著明改善1名, 改善5名, やや改善2名, 不変4名で改善率50%であつた.
4. 治療後の血小板凝集能は有意に抑制された.
5. 自覚的, 他覚的な副作用は認めなかつた. 以上の結果より血小板凝集能の亢進しためまい症例ではBeraprost sodiumがめまい症状の改善に有用であると考えられた.
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