シリコン膜とコラーゲンスポンジからなる二層製コラーゲン製品である人工真皮は、皮膚や粘膜欠損部位において使用され、その有用性について多くの報告がなされている。今回著者らは切除範囲の決定に苦慮し、病理組織の検討後に二次再建を行った症例において人工真皮を使用した。頭頸部悪性腫瘍の切除再建症例において、いわゆる遷延一次修復を行った症例での人工真皮は, 術創部を二次手術までの期間良好な状態を保っていた。いままでの創傷被覆材では得られなかった感染や創部の汚染の軽減が認められた。また、結果として、二次再建における手術時間の短縮をもたらすものと思われた。
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