たばこ材料用紙の高通気度化による低タール・低ガスたばこの開発の基礎資料を得るため, 通気度の異なる5水準の電気開孔巻紙と6水準の機械開孔チップペーパーの組み合わせ, および3水準の多孔性フィルタープラグ巻取紙と5水準の機械開孔チップペーパーの組み合わせの, 2シリーズの開孔たばこを作製し, これら各材料用紙の通気度とこれらを適用した開孔たばこの空気流入割合および通気抵抗との関係を検討した。
結果は次のとおりである。
1) フィルター開孔部の通気性を表わすチップペーパーと巻取紙との積層通気度は, チップペーパーの通気度が高くなるに従って増加し, その増加割合は組み合わされた巻取紙の通気度が高いほど大きかった。
2) フィルターからの空気流入割合 V
f は, 巻取紙やチップペーパーの通気度が高くなるに従って増加した。しかし, 併用された巻紙の通気度が高くなると, V
f, およびチップペーパー通気度の増加による V
fへの効果は小さくなった。
3) 巻紙からの空気流入割合 V
p は, 巻紙通気度が高くなるに従って増加した。しかし, 併用されたチップペーパーや巻取紙の通気度が高いほどV
pは小さくなった。
4) 各材料用紙の通気度が高いほど V
f や V
p が増加するため, たばこの通気抵抗は減少した。
5) 巻紙とフィルターからの空気流入割合 V
pf と通気抵抗との関係を検討した。 V
pf の増加にはフィルター開孔部の通気性すなわち巻取紙とチップペーパーの積層通気度より巻紙通気度の増加が効果的であり, 通気抵抗の減少には巻紙より積層通気度の増加が効果的であった。
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