製紙業界やマーケットは急速に変化している。需要に見合った生産品目への対応が必要となるが,設備の新設でなく,既設設備を活用し,改造による生産品種変更,すなわち転抄という考え方は有効である。
最近の傾向では,洋紙から板紙への転抄が中心になってきている。板紙の生産においては,高い品質,軽量化が求められており,低坪量,安価な原料,再生紙原料を用いながらも,設備の高速化に対応しつつ,強度を保つ必要がある。
バルメット社では,板紙の様々な品種生産の要求に対応したヘッドボックスやフォーミングセクションの開発をしてきた。
2層抄きヘッドボックスOptiFloレイヤリングと,真空アシストフォーミングボードVacuBalanceにより,フォードリニア数を減らしたマシン構成,および高品質の紙生産が可能となる。
またアクアレイヤリングヘッドボックスにより,2層間の水層に機能性添加剤を供給することで,結合の改善と原材料節約が可能となる。
転抄において,新技術を導入しながら,低コストで高品質を実現するためには,適切なマシンコンセプトの決定が重要である。バルメット社では技術センタで様々なトライアルおよび解析を行なうことができる。技術コンセプトの比較検討に活用されたい。
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