紙パ技協誌
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77 巻, 3 号
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計装/IoT特集
  • 「最新の電装技術とその応用展開」
    自動化委員会
    原稿種別: 会議報告
    2023 年77 巻3 号 p. 192-196
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
  • ―動力最適化における課題とその解決策―
    岩本 聡一
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 197-204
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    昨年度,カーボンニュートラルに向けた省エネ,創エネの取組み全般について紹介した。今年度は,第2報として現在注力しているCO2削減効果の大きい動力最適化に焦点を当て紹介する。
    当社では,動力最適化を多変数モデル予測制御パッケージ(SORTiA※)にて実現している。SORTiAの特長を生かした自動制御とガイダンスのハイブリッドシステムによる提供,外部環境変化に応じた上下限値自動変更など現場の受容性を高める制御構成に加え,ソフトセンサ,デジタルツイン及びAI技術の活用により動力最適化における課題を解決してきた。
    本稿では,紙パルプ,石油精製,化学プラントはじめ多くの業界においてこれまで解決してきた課題を「主蒸気圧力制御に関する課題」「機器効率モデル構築に関する課題」「現場の受容性に関する課題」に分類し,その解決策について報告する。
    特に,導入効果に直結する「機器効率モデル構築に関する課題」については,モデル構築におけるデジタルツインの活用及び経年変化はじめ機器効率の変化に応じ機器効率モデルを適応するため新規開発したAIによるモデル自動更新技術について詳しく紹介する。
    (※SORTiAはアズビル株式会社の登録商標である)
  • 甲木 義人
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 205-213
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    近年,あらゆるモノの価格が高騰しており,製紙業界においても利益が圧迫されている状況である。今後ますますあらゆるモノの使用量を最適化していく必要があり,そのためにはAI・IoT技術を駆使しデジタルトランスフォーメーションを推進していく必要がある。さらにはカーボンニュートラルの機運も世界で高まっており,持続可能な社会を実現するための企業貢献も求められる時代となっている。
    これに対して,当社は製造メーカの知見+IoT技術の融合した新モータ&ドライブシステム,設備のエネルギー使用量や最適プラント操業の見える化を実現した新プラント情報管理システム,プラント全体のデータを集約し直感的なユーザインタフェースを提供できる製紙業界向け操業支援システムを製品化し,その普及を図っている。本システムの導入により,そのような情勢の中でさらなる生産性向上を目指した取り組みを支援していく。
  • 片岡 省吾
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 214-216
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    近年,製造業を取り巻く環境は大きく変化している。この状況に適応するために,ほとんどすべての製造ベンダーがDXというキーワードで変革を求められている。横河ソリューションサービスはモノづくり自体のDXに着目して,モノづくりDXを成功させる方法論を模索してきた。化学,石油,製薬など幅広い業界のお客様とのコラボレーションを通じて,ものづくりDXに必要な要素を定義することができた。
    本稿では,ものづくりDXを成功させるための4つのポイントを概説する。さらに,横河ソリューションサービスが現場スタッフを対象にワークショップを実施し,現場の改善や変革を支援した他業種の事例を紹介する。
  • 寺澤 辰也
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 217-222
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    世界は今,環境・社会・経済のグローバル規模の危機に直面している。気候変動は人類とその他多くの生物にとって「生存の危機を突き付けており,地球温暖化はこの10年の間にも進行し,世界各地で氷河の後退やサンゴ礁の死滅,異常気象を引き起こした。また,貧困や人権侵害,人口の高齢化などの様々な社会問題は引き続き大きな課題となっている。それだけでなく,新型コロナウイルスのパンデミックや地政学的な危機,為替の変動など,バリューチェーンの構成要素はかつてない不確実性にさらされている。この不確実で不安定な時代の中,紙・パルプ業界における課題の整理と,課題解決に向けた取組テーマ,製造現場のデータ利活用,および環境対策の重要性について触れながら,ものづくりDX推進上の留意点を概説する。
  • 水越 奏利
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 223-226
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    段ボール古紙の価格上昇や古紙入手性の問題が顕著になってきており,繊維使用量の削減もしくは生産プロセスの途中で発生するリジェクトの削減は,安定操業やコスト削減だけでなく,環境対策の面からも非常に重要な課題となってきている。
    しかしながら,リジェクト量をリアルタイムで把握することは現状困難であり,週次もしくは月次レポートで後追いするするしかない。また,損失の発生箇所を特定するのも困難であり,リジェクト削減を進めることを難しくしている。
    本稿では,弊社が推進するデジタル製品の中から,OCCラインにおける繊維損失の見える化と削減を実現する,OnView.MassBalanceについて紹介する。
  • 鴫原 琢
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 227-232
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    我々を取り巻く環境の変化のスピードが増す一方,企業は競争力を増さなければならない。デジタル化は大きなポテンシャルを秘めており,会社ごとにとらわれないデジタル化の基本的な考え方であるデジタルツイン,データの水平垂直統合を解説したうえで,シーメンスがパートナーとなって実施した海外の製造業のデジタル化プロジェクトの事例を複数業種にわたって紹介する。また,特に日本の企業が陥りやすいデジタル化プロジェクトの課題(組織や会社の仕組み,プロジェクトマネジメントなど)についても触れ,解決案について述べる。
  • 板東 永師
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 233-238
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    工場全体での自律化・最適化操業を可能とするミルワイド・オプティマイゼーションは,紙パルプ工場における今後の課題となる事柄に対する解決手段として,非常に有効となるソリューションである。工場全体での自律化や最適化が必要となる理由は,信頼性の向上及び運用性の向上であり,どちらの分野でもデジタル化とインダストリアル・インターネットが重要な要素となる。自律化システムにおいては,信頼性を大幅に向上させ,予測やメンテナンスの計画・実行といったことによる予想外のダウンタイムを防ぐことができるため,効率的で費用対効果の高いシステムとなる。更に最適化と組み合わせることで,設備全体が最適な操業となるように自律して計画から生産を行えるようになる。
    Valmetでは生産・品質・コストを工場全体としての観点から最適化できるように,プロセスを1つの大きな塊として捉えている。これにより,工場全体の収益性・効率・環境負荷への影響を改善することができる。世界的にも紙パルプ工場のプロセス間には大きな改善点があることが浸透してきている。プロセスのデータを他のプロセスと共有することで,データのギャップを無くすことができる。つまり制御や自動化のギャップが無くなるため,工場全体の改善が可能となる。紙パルプ業界では,設備に大きな変更を加えることなく工場の収益性を向上させるのが一般的であり,多くの場合1つの課題だけに焦点が当てられるが,工場全体を通して取り組むことで各領域での改善ができる。これがデジタル化及びインダストリアル・インターネット導入の最大のメリットと言える。各工場に合わせた自律化・最適化について工場全体の最適化から,各プロセスの最適化,それに付随する現場計器までを回収ラインに焦点を当てて紹介する。
  • 松原 果唯
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 239-244
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    当工場のバイオマスボイラーの主な燃料は主に建築廃材由来の木質燃料,石炭,そして工場内で発生するペーパースラッジと廃プラスチックである。燃料の制御についてはDCSによる自動制御が行われているが、主蒸気圧力の変動が大きくボイラーの燃焼効率が低下していた。そこで今回、石炭ボイラーで実績があるボイラー燃焼制御最適化システム(ULTY-V plus)を導入した。ULTY-V plusはAI(人工頭脳)が搭載されており、制御を繰り返すことで燃料制御がより効率化されるという特徴があった。
    今回このボイラー燃焼制御最適化システムの導入によって、導入試験時には約1.07%の燃料削減効果を確認した。また、各月毎においても0.5%以上の燃料削減効果を確認している。今後、AIの継続的な学習により制御がさらに最適化され、燃料削減効果が上がることが期待される。
    本稿ではボイラー燃焼制御最適化システムの導入事例について紹介する。
  • 原稿種別: 会議報告
    2023 年77 巻3 号 p. 245
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
総説・資料
  • 和田 敏
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 246-250
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    古紙原料に由来する,欠点や断紙等の障害の発生は,様々な要因が考えられる。当社は,DXを活用し,S.sensing®システムを用いた連続水質測定による,系内各所の様々な水質データ及び,操業データを用いて多変量解析を行う事で,障害の発生を定量的に予測出来,かつ発生要因の重要度を推定出来る,精度の高い解析手法を開発した。また本手法を用いる事で,一定時間後に発生する障害についても予兆する事ができた。この解析手法は,誰でも定量的,普遍的な解析が可能になるため,今後問題となると思われる人手不足やベテランオペレーターの退職による経験知の伝承を,補完できると考える。
    古紙を原料とする製造工程で,この解析手法から導き出される,水処理に関する影響度の高い要因は,微生物の汚染状況を示す酸化還元電位および,古紙中に含まれるSSや灰分,微細成分を示す濁度・UF値である。酸化還元電位は,微生物による腐敗が原因であり,当社の系内清浄化システム「ファジサイド®」を用いる事で,変動を抑制する事ができる。濁度やUF値は,系外へ除去し,次いで無害化する事が重要であり,ピッチ成分に応じて適切なピッチコントロール剤や凝結剤の適用により,変動を抑制する事が出来る。
    これらの解析手法と解決手段を適切に組み合わせて実施する事で,古紙利用時に発生する障害に対して,水処理に関する確度の高い対策が出来るようになる。
  • 福原 宏之
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 251-254
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    昨今の工業製品の色管理は非常に厳密に行われ,製紙業界も同様に高い品質管理が求められる。
    ライン内で紙の色を計測する事に加えて,ターゲット値とのズレ幅を補正するフィードバックを導入されているケースも増えてきている。一方で,その方法が充分に議論がされたものかどうかとなると話は別で,紙の特性や,測色機の特性によっては「一応」測色をしてフィードバックを掛けているに留まっているケースも少なくない。
    そこで抄紙機のシステム内で色を出来るだけターゲットに安定的に近づけるために何が必要かを分解して検討していくと,紙のどの位置で計測を行い,どの様な性能を持った測色機が理想的かが見えてくる。
    具体的な方法と仕様を例に挙げながら,高次元での色の自動管理の方法を提示する。
  • 牧 信孝
    原稿種別: その他
    2023 年77 巻3 号 p. 255-258
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    工場で使用するエネルギーを自家発電設備で担う当社にとって,ボイラーの故障は生産に大きな影響を与えるため,故障の抑制が大きな課題の一つである。しかしベテラン社員が毎年抜けている中で,紙を媒体とする情報のやり取りだけでは世代交代に伴う技術伝承は難しく,類似故障や現場力低下が顕在化してきており,さらに老朽化が進む設備の安定操業を属人的に支える事は限界に近い。
    より多くの世代交代が差し迫る今,当社として持続可能な職場であり続けるためにも,既存業務や既存体制の見直し・再構築を図ることが急務であることから,まずは操業情報のデジタライゼーションに取り組んでいる。導入した工場においては以前よりも情報の高付加価値化が実現出来ており,ノウハウの継承にも効果が大いに期待できることから,各工場の人員配置などそれぞれの状況に則した使えるシステムにカスタマイズしながら全工場へ導入を進めている。
    さらに既存の操業監視方法では人手不足の中でも属人的な対応を続けざるを得ない状況であり,特に原動設備管理部門では運転員,保守・整備担当者の負荷が増大している。そこで操業監視方法を自前主義からの脱却を図ることを目的に外部と操業データを連携することにより,操業上のアドバイス・支援までを得られるような体制を模索中である。
研究報文
  • 武藤 直一, 奥田 貴志, 寺岡 拓真
    原稿種別: 研究論文
    2023 年77 巻3 号 p. 259-266
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー
    みつまたの靭皮部分から得られる繊維は古くから製紙原料として利用されており,原料となるパルプは,蒸して採取した樹皮部から表皮と甘皮を取り除いた白皮を蒸解することによって得られる。白皮に含まれる成分は,木材と比較してリグニンが少なくペクチンの含有量が多いことが特徴である。そのため,パルプ化における主な作用はペクチンの除去であり,ペクチンはアルカリ水溶液中で加熱することにより溶解される。みつまたのパルプ化は,水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ水溶液を用いて蒸解釜により常圧または加圧条件下で蒸解する方法が一般的であり,白皮風乾試料に対する重量比率で5~10%のNaOHを添加して,蒸解釜中で数時間の加熱処理が必要である。
    本研究では,みつまたの白皮を二軸押出機を用いて解繊することによるパルプ化方法を試みた。二軸押出機は樹脂の加工に広く用いられており,シリンダ内に設置された2本のスクリュが回転することにより,投入された試料に圧縮,せん断,ニーディング,加熱,混練等の加工が可能な装置である。蒸解釜を用いたバッチ処理によるパルプ化と比較すると,連続処理による加工装置であり,試料に対する処理時間が短いことが特徴である。
    二軸押出機に投入する白皮には,前処理としてNaOH水溶液を含浸した。2本のスクリュには,せん断及びニーディング作用を有する歯車を設置し,二軸押出処理温度及び白皮試料へのNaOH添加率を変化させてみつまた繊維の解繊可否を調査した。また,二軸押出機で繊維を解繊して得られたパルプを用いて手すきシートを作製し,二軸押出処理条件が手すきシートの光学的特性及び強度的特性に及ぼす影響について調査し,加圧蒸解法で作製した手すきシートの物性と比較した。
  • Naoichi Muto, Takashi Okuda, Takuma Teraoka
    原稿種別: research-article
    2023 年77 巻3 号 p. 267-275
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー
    he bast fiber of Mitsumata (Edgeworthia papyrifera Sieb. et Zucc.) has traditionally been used as a raw material of paper. Mitsumata belongs to Thymelaeaceae family, and the paper made from its bark is known to have hue of egg yolk color and unique texture. Mitsumata pulp for paper making is manufactured as follows. Mitsumata branches are steamed and barks are taken off, from which its epidermis and cuticle are removed. Then, the residual white bark is cooked with an aqueous alkaline solution in the digester. Compared to the chemical composition of wood, the white bark contains more amount of pectin and less amount of lignin. So, pulping of Mitsumata primarily aims to remove pectin that works as a binder among cells, and pectin in the white bark can be removed by alkaline solution under heated.
    In this research, we used twin screw extruder to produce Mitsumata pulp from its white bark. Twin screw extruder consists of two co-rotating screws in a cylinder barrel, and it is widely used in the manufacturing industry for material processing such as shearing, kneading, heating and mixing. The white bark is impregnated with an aqueous solution of sodium hydroxide before defiberizing by twin screw extruder. The process of twin screw extruder is continuous and its processing time is short compared to normal cooking process.
    The effect of processing temperature and addition rate of sodium hydroxide on defiberizing of Mitsumata fiber was investigated. We found that Mitsumata fibers could be defiberized by twin screw extruder at lower temperature than cooking process.
    Handsheets were made from the pulp produced by twin screw extruder, and their optical and physical properties were studied. The ISO brightness of the handsheet produced by twin screw extruder was high compared to the handsheet produced by normal cooking process. The pulp yield produced by twin screw extruder was also higher than the yield by cooking process. The side chemical reaction is considered to be suppressed during the extrusion process because of the low processing temperature and the short processing time.
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