本研研はNaXS (キシレンスルホン酸ソーダ) 蒸解とPA (過酢酸) 漂白におけるpHの影響を究明するために始めた。ブナチップのNaXS蒸解後, 廃液のpHは約4を示した。廃液を次の蒸解にくりかえし使用した時, pHは著しく低下する。このようにして, 5回くりかえし蒸解後は, pHは約3になり, パルプは崩壊し, 収量は減少する。パルプ収率及び粘度の減少をさけるために, 蒸解液は約pH7にNaOHで調整する必要がある。
NaXSで蒸解したブナチップは多量のリグニンを含んでいる。廃液中の可溶性リグニンが不溶性固体になるから, 水洗でNaXSパルプからリグニンを除くことは効果的でない。しかし, NaOH溶液抽出によって容易に除かれ, NaXSパルプのK価は低下した。
NaXSパルプのPA漂白で, pH2では崩壊し, 粘度が下る。しかしながら, 約pH4では, パルプの崩壊はわずかである。
以上の結果から, 蒸解液及び漂白液のpHがパルプの性質をコントロールするために重要なファクターの1つであることがわかった。
抄録全体を表示